第43話

キリトは首を降って暴れたが抵抗もむなしく無理やり付けられた。

意識が遠退く。

再び奥野はメスを持ち続きを再開するかのように丁寧に切り口を合わせ5センチほど滑らせた。


声にならない声がキリトから発せられる!


(くそっ!)


顔を動かしたとき視界のはしにボコボコに殴られている若い男性が目に入った


とその時、突然ドンッという音と共に砂煙が上がった。


砂煙がから現れたのはロングのコートを羽織った男性。


男性はキリトを見るなり目を見開き怒りを露にした。


「テメェら、許さねー。」


キリトは男を見るなり目を細めた。


「ロウ…。」


弱々しい声を聞いたとたんロウは奥野に殴りかかった。遮るかのように黒川が間にはいる。


攻防が続いている間に鬼頭が逃げ出そうと部屋の出入口に行く。


「残念。逃げられないよ!」


鬼頭は後ずさりしていた。前からきたのは黒ずくめのライダースーツ姿の男。


「カゲ…。」


キリトが絞り出した声に反応してキリトを見た瞬間カゲロウの頭に血が上った。

一瞬だった、一瞬にして鬼頭と後にいた石井もろとも吹き飛び壁に激突した。


奥野は何が起こっているか理解できなかった。突然、男が現れ暴れている。しかも尋常ではない強さで。


又増えた。

女性らしき2人が暴れている間を堂々と歩き細身の人物はネズミに近付いて傷に手をかざしている。

もう1人の体格の大きい人物はキリトに近付いて胸の傷を見た。


「大丈夫。私が治して挙げる。少し我慢して。」


そういうとゆっくりと胸の傷を撫でた。


消えた…。


傷が消えた。


気がついたときには黒川も石井も鬼頭も床にうずくまって呻いていた。


全てが理解できなかった。医者であるにも関わらず信じられないことばかりだった。


奥野は笑うしかなかった。


だがそれも続かなかった。


ロウが力加減もせずに蹴り飛ばした。


奥野は気を失った。

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