第11話
「おはようございます。」
朝、アパートを出てから、料亭ほおずきに出勤する。
あれから1週間、何事も無い日々を過ごしていた。
だが、鬼頭はいつも同じ場所に車を止め、毎日キリトの出勤の様子を見ていた。
そしてほおずきに入るのを見届けると自分の職場に出勤し定時になると帰宅すると見せかけてほおずきにもどりキリトの帰りを待つ。
"すごいね。警察にでもなった方がいいんじゃない"
カラスの能力であるテレパシーで頭の中に直接話し掛けてくる。
"いつものところ?"
キリト(アゲハ)が問いかけると、カラスはご丁寧に時間まで教えてくれた。
"予定どおり、今日動くよ!"
キリトがそう返すとカラスは仲間に一斉に伝え、それぞれがスタンバイする。
"アゲハ、カゲロウからの伝言、ムチャするなって。"
"あぁ、分かってる"
そう伝え終わると、キリトが大将に話し掛ける。
「大将。すいません。今日は時間なので…。」
大将が時計を見たと同時に勝手口から女性が入ってきた。
「お兄ちゃん、キリト君!遅くなってごめんなさい。」
「いえ、僕も今から帰るところなので、間に合いましたよ?」
キリトが答えると大将が眉を下げながら女性を見た
「サクラ、悪いな。突然頼んで。今日も予約がいっぱいでさ。」
「いいよ、もう少ししたら友達も手伝いにきてくれるって!」
「そりゃ助かるよ!いつもキリトがやってくれるから、いないと不安でしかたねーや。」
「本当に頼りすぎだよ。キリト君、いつも兄を助けてくれてありがとう。」
サクラさんが頭を下げてくれたのであわててキリトも頭を下げる。
サクラさんは結婚していてたまに手伝いに来てくれる大将の妹でキリトにいつもよくしてくれる一人だ。
「とんでもないです。いつも大将には美味しいご飯を戴いてこちらこそ有りがたいです。」
「まぁー!餌付けされてる?」
「ですね。」
3人が笑いながら会話しているとキリトの携帯がなった。もう少し話をしていたい気持ちに蓋をする。
「あっ。すいません、大将。僕はこれで失礼します。サクラさん、すいません。そこに今日のご予約のお客様のスケジュールと人数、かいて置きましたので。」
「ありがとう!さぁ、行って!」
「すいません。では、失礼します!」
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