第24話
鬼頭は入ってくるなりキリトを見て真っ先に駆け寄った。
「キリト!大丈夫か?」
話しながらキリトの後ろ手に結ばれているコードをほどいている。
「鬼頭さん…何で…仕事に…」
「あぁ。携帯の警告音が鳴ったんだ。」
「警告音?」
キリトの顎を軽く持ち上げ舌打ちをする。
「殴られたな、他に痛いところは?」
「大丈夫です。」
ゆっくりと鬼頭に支えられながら立ち上がったキリトに知らない男性が話しかけてきた。
「腹、やられてるよ」
「は?」
鬼頭がキリトの肩をつかみ自分側に向かせた。
「蹴られたのか?くそッ。」
キリトのシャツにクッキリと靴の跡がついていた。
キリトは冷静に大丈夫だと答えたが鬼頭が無理やりソファーに座らせた。
見知らぬ男が二人、散らかったリビングや部屋を見て回っていた。
「鬼頭さん、あの人たちは?」
「警察だよ。」
「警察?」
言葉と同時にキリトのシャツを無理やり捲り挙げた。
キリトの腹部には蹴られたであろう強打痕があり青紫色になっていた。
「ひどいな…。」
鬼頭の後ろに立っていたもう一人の男がキリトの腹部を見て眉を潜めた。
「打ち身だと思うが念のため見て貰った方がいいだろうな」
そう言って奥の部屋に入っていく。
しばらくして電話をしながら出てきた。
キリトは警察と紹介された男二人をじっと見ていた。もし本当に警察ならこの二人との関係をしらべる必要がある。
下手をすれば自分の事がばれる可能も少なくはない。
緊張が走った。
素振りを見せないように注意する。
始めに話しかけてきた警察官が近づきキリトの前にたった。
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