第25話
「犯人の顔を見たか?」
「…はい。」
「特徴あったら教えてほしい。」
「特徴…。一人は50代くらいの男性、言葉使いが荒く、指示を出していました。右手首に花の刺青のような物があったと思います。二人目は20代後半くらいの男性、同じく言葉使いが荒くもう一人の男の指示を聞いてました。左手の親指に龍のような模様の指輪をしてました。二人は僕にUSBは何処かと聞いてました。」
「USB?」
「知らないと答えましたが…」
「すごいね。良くわかったよ。あの状況でここまで…」
「僕が気に入っているの、分かるだろ?」
鬼頭は自慢げに二人に話していた。
「話しに聞いていたが、ここまでとはね。」
電話をかけていた警察官が近づきキリトの顎を持ち上げた。
キリトは一瞬目を合わせたがゆっくりと瞬きをした後、流し目で目を反らした。
「何か言いたげだな」
顎の手を話した後、しゃがみこみキリトを覗き込む格好で警察官が訪ねる。
「いえ。」
鬼頭がキリトの様子を見ながら声をかけてきた。
「どうした。何処か痛い?」
「…いえ、ただ…」
「ただ?」
「警察…お二人のお名前を聞いていないので…。」
警察官二人はお互いを見合い大笑いした。
「悪い。名乗って無かった。俺は黒川。」
「石井です。」
「風間 キリトです。」
黒川と名乗った男が手帳を出して見せた。
「彼らとは何度か一緒に仕事をしてね。今では気の合う仲間ってとこかな。」
鬼頭が説明してくれる。
「君の事は司から何度か聞いていてね。こんな形で会うとは思わなかったけどね。」
石井と名乗った警察官が話しをしながらキリトの腹部を触った。
突然激痛が走った。
「あぅッ。」
「おい!石井!何を!」
キリトが腹部を押さえてうずくまり鬼頭は慌てて石井を止めた。
「ほんの少し触っただけだ。かなり痛めてる。病院に行った方がいいね。」
黒川が周りを見ながら鬼頭に忠告した。
「多分、今追っている山に関係が有るだろう。USBということは。それに風間君だっけ、彼がいることも分かって入った感じだしな。」
「確かに…。」
「ひとまず避難した方が身のためだろうな。黒川さん、鑑識入れます?」
「そうだな。司、どっか移れるか?」
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