第29話 グラビア練習会 柊 奏 裏側
「じゃ〜ん!!どうこれ?彼シャツ…ドキッとくる?」
私が着ているのは白のダボダボのTシャツ…グラビア練習会の最後の秘密兵器としてとっておいた私の最終兵器だ。
もちろん私のグラビア撮影にこんなエッチな服装という選択肢はない。
『相坂君を振り向かせる』
その一心で相坂君だけに見せる格好…シャツ1枚に下着1枚。至ってシンプルな格好に見えるかもしれないけどこれが私の全力全開!『絶対に相坂君を振り向かせる』その言葉の集大成。
「ねぇ…相坂君?この服さぁ、下…履いてると思う?」
距離感…上目遣い…ありとあらゆる女の武器…グラビアという仕事で鍛え上げてきたキャリアを持って『相坂勇太』を攻めていく。
もちろん「履いてると思う?」と聞きさえしたが、そこも抜かりはない。シャツも白くて見えにくいかもしれないけど、履いているのは私の勝負下着II『ホワイト•ディザイア』ハラリとめくれれば、この勝負下着がお出ましだ。
でも焦ってはいけない…私のテンションも相坂君の反応に高くなってきちゃってるところはあるけど、落ち着いて…落ち着いて…
「下って…」
相坂君の言葉に私は。
「下って言ったら〜…もう女の子に言わせちゃうの?」
可愛らしくイタズラッ子っぽく返した。
そう…これでいいの。焦らすように女の子らしく、可愛らしく…なんのために他の人の告白を何度も断ってきたと思ってるの!この時のためでしょ!…柊 奏!!
そして…
「ごめんね…最後は馬乗り…こういうアングルの撮影も必要だから…」
この時、私は勝利を確信した。膝でガッチリ体をホールド、四つん這いになることで上半身さえも逃がさない。極め付けはアングル調整…相坂君は恥ずかしくなると目線をどこかにやる傾向がある。その視線を胸元へ誘導。そしてそんな胸元は突起物までは見えそうで見えない…パーフェクトアングル。ちょっと大きいかなと思ったシャツだったけど大丈夫。
私もプロ…練習もしっかり積んだ。絶対に見えてはいない
なぜだか思ってる以上に顔を赤らめ反応してくれる相坂君。
でもこれ以上はダメ…
「ふふっ、はーい、今日はここまででーす。ご協力ありがとうございました、相坂君。また機会があったらよろしくね」
これ以上はなんだか私のテンションがおかしくなっちゃいそう。
今はここまで…今はここまでだけど、きっとこの学生生活であなたをきっと振り向かせて見せるから。
…覚悟しておいてね!相坂君…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます