第19話牡丹の考え
ヨハンセンの依頼から3年が経った。この3年、鬼に関する事件は聞かなくなり、マスコミは、政治家の汚職事件や芸能人のスキャンダルなどに注目していた。
2029年5月28日。
唯一の妖怪の政治家の金長牡丹は、国家で他の党の裏金問題の話を1時間以上聞いて辟易していた。
牡丹は、自宅に戻って鬼塚に電話した。以前から牡丹は鬼塚の部下の妖怪と人間の血を引いた
2029年5月29日。
その日、鬼塚から
ノックをする音がし、鬼塚がドアを開けると金長牡丹と秘書の白鳥道子だった。鬼塚は、入るよう勧めて牡丹と白鳥道子は入り、
「是小香吗?我是金长牡丹。我很荣幸能够见到你。(
と挨拶すると
「是雷小香。我钦佩你很久了。我很高兴认识你。但是,牡丹。我会说日语,所以用日语说也没关系。(
と返した。
鬼塚は牡丹に
「牡丹さん、中国語話せるんですね」
と感想を言うと牡丹は照れ臭そうに
「中国の方と話す機会があるのでそのために勉強してました」
と答えた。
「ところで、
牡丹が
「はい、そうなんですよ。祖父母は優しいですが、父は少し厳しいんです」
「そうなんですね。なんだか意外ですね」
「よく言われるんですよ!」
「私の中のテーマなんですよ。妖怪と人間が手を取り合って平和に住む世の中は…。悪い事をしてる妖怪が原因でまだまだマイナスなイメージがあるからどうにかそれを払拭させたいんですよ」
と難しい顔して答えた。
「中国でも妖怪についてネガティブなイメージが根付いているせいで、私は学校で虐められていて嫌になって日本に逃げて来たんです」
「中国もそのような状況なんですね…」
と悲しそうに答えた。
「けど、まさか日本もこのような空気でしかも鬼のせいでこうなっていたとは…」
2人の会話を聞いて鬼塚はある事を思い出し、
「
そう話すと
「もしかして、鬼塚さんを育てた方ですが?」
牡丹が尋ねると鬼塚は首を横に振り、
「桜田先生の教え子で京都の大学で妖怪の研究してるんですよ。桜田先生と同じように」
あっさり答えた。
「その人は鬼の事も研究してるから何か知ってるかも」
鬼塚の一言に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます