第3話小香と久保村家
2023年5月11日。
「クソガキのくせに!」
大男は
その様子を
また、高齢女性は
「あなた、一体…」
と高齢女性が尋ねると
「私は通りすがりの妖怪と人間のハーフだよ!」
この
「妖怪と人間のハーフ?」
高齢女性は首を傾げた。
「そう!私は中国からここ、妖怪と人間が共存する日本に来たの!」
「私は、
「久保村悦子です」
とお互い自己紹介した。
「そうだ。
「うち?」
「ここから5分ほど歩くんだけど」
「ありがとう」
悦子は息子の虎太郎夫婦と孫娘の希子と暮らしている。
自宅に到着すると息子の虎太郎と嫁の伊代、孫の希子が暖かく迎えてくれた。
久保村一家は悲しそうにしていた。
「ママがいたら殴ってたね」
希子が言うと
「やめなさい!」
伊代は恥ずかしそうに言った。
「でも、
虎太郎が提案すると
「そんな!悪いよ!」
「大丈夫だよ!客間があるからそこ使いなさい!」
悦子が勧めると
「わかった。使うよ」
「けど、学校はどうするの?日本語ペラペラだから近くの学校か私が勤めている学校に通うの問題なさそうだけど…。妖怪と人間のハーフならやっぱり妖怪みたいに、学校通うか会社で働くかになるか…」
虎太郎は千代田区の小学校の教師のため、学校の事で
「私…妖怪として生きるよ。お祖父様とお祖母様、父上みたいに妖怪として生きたいから」
「そうなるわね…。私の図書館は妖怪の採用枠はまだ作ってないし…」
近くの図書館で司書として働いている伊代は勤め先の採用枠に妖怪がないため、困っていた。
久保村家と
突然、希子が立ち上がり
「じゃあさ、バイトでいいんじゃない?」
「バイトは高校生か大学生からじゃないとダメだってところが殆どだし、妖怪のバイトは募集してるけど、
悦子は冷静に言った。
「じゃあ、どうするの?」
希子が大声を出した。
それからも沈黙が続いたが、悦子はある妖怪の事が頭に思い浮かんだ。
その妖怪は何でも屋を経営してる鬼塚清志郎という牛鬼だった。鬼塚は幼少期に人間に育てられた牛鬼で、ある依頼で唯一の妖怪の政治家・金長牡丹と知り合いたまに連絡を取り合っていた。
「私、鬼塚さんに相談してみるよ。鬼塚さんなら何かいい知恵を貸してくれるかもしれない」
悦子が言うと
「お祖母ちゃん、それいいよ!あの人変だけど、知恵はすごいから」
希子は指を鳴らした。
「こら!希子!鬼塚さんはパパの学校の運動会か学芸会の手伝いで来るし、お祖母ちゃんのお花の手入れをしてくれるから助かってんだぞ!」
虎太郎は叱った。
「でも、鬼塚さん驚くよ。牛魔王と羅刹女の孫って聞いたら」
と希子。
「そうだよな〜。中国の有名な妖怪だからね。あの孫悟空と戦ったし」
と虎太郎。
「しかも西遊記のドラマでは必ず出てくるよね。パパ」
と希子。
「そうだな。毎回悪役だけど」
と虎太郎。
「あのさ、孫悟空ってマジであのドラマの通りだったらしいよ。後、沙悟浄も猪八戒もそのまんまだったみたい」
「え!マジで!?」
「誰が孫悟空演じてた時だ?」
希子と虎太郎が尋ねると
「堺正章」
「あーなるほど」
虎太郎は納得した。
「それはいいから鬼塚さんに相談するんですよね?お義母さん」
伊代は悦子に尋ねた。
「そう。明日聞いてみるよ」
悦子が言った。
翌日、悦子は鬼塚の何でも屋へ行った。訳を話すと鬼塚はちょうど人が足りないから
帰宅した悦子は、
「鬼塚さんがどうしても人が足りないって悩んでいたんだ。どうだ?やってみるか?」
「そうだな。私、お祖父様達みたいに妖怪として生きていくって決めたから働かなきゃだし…。わかったよ!婆さん、その牛鬼に会ってみるわ!」
そう
「わかった!明日から行きなさい!」
悦子が言うと
「え?明日?大丈夫なの?」
「大丈夫よ。鬼塚さんは早く人材を欲しがってるから」
と悦子が言った。
こうして、
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