第4話就職

 2023年5月13日。

 悦子からの紹介で、小香シャオシャンは何でも屋で働く事になった。

 何でも屋の社長の鬼塚清志郎。鬼塚は、牛鬼でどんな依頼も受け付けているとアピールしていた。

 何でも屋は鬼塚の他に、本郷岳、阿南一華、皇伊万里の4人が所属し、鬼塚以外の3人は人間だ。

雷小香レイシャオシャンです。宜しくお願いします」

 雷小香レイシャオシャンというフルネームは中国の学校に通っていた時名乗っていた。

 小香シャオシャンは緊張して自己紹介した。自己紹介が終わると鬼塚は

小香シャオシャンさんのお祖父様とお祖母様は、あの西遊記の悪役で有名な牛魔王と羅刹女で同じくお父様は聖嬰大王というアダムスファミリーみたいな一家だ」

 と付け加えると

「鬼塚さん、アダムスファミリーはなんだか違いますし、それを言うなら華麗なる一族ですよ!」

 と伊万里はツッコミを入れた。

「いいんです。どう呼ばれても」

 と小香シャオシャンが言った。

小香シャオシャンちゃんはしっかりしてるね」

 一華が感心した。

「では、今日だが、本郷くんは山田さんのお婆ちゃんのところへハウスキーピング、阿南さんと皇さんは近くの中高一貫校へ。それで、僕と小香シャオシャンさんは老人ホームの大掃除の手伝い。今日も宜しくお願いします」

 朝礼後、それぞれ言われた場所へ行き、小香シャオシャンは鬼塚と共に、代々木の老人ホームへ向かった。

 老人ホームへ着き、職員からの説明を聞いた後、

外の掃き掃除や草むしりをする事になった。

小香シャオシャンさん、ゴミはここに入れてね」

 鬼塚は持ってる大きいビニール袋を指差した。

「わかりました」

 小香シャオシャンは返事した。

 開始から50分順調だったが、遂に小香シャオシャンは疲れてきてしゃがんだ。

小香シャオシャンさん、大丈夫?」

 鬼塚は優しく声をかけた。

 すると、風が吹いてきた。その時、小香シャオシャンにある考えが浮かんだ。

 小香シャオシャンは立ち上がると

小香シャオシャンさん…」

 鬼塚が声を掛けたが、小香シャオシャンは口から芭蕉扇を出し、指を振って大きくすると、鬼塚以外の周囲で掃除してた職員は何が始まるのかとざわざわし始めた。

 そんな周囲を他所に小香シャオシャンは芭蕉扇を仰いだ。するとゴミは竜巻のようになり、そのままゴミ袋へ入った。

 小香シャオシャンは芭蕉扇を元に戻し、口に入れると

小香シャオシャンさん、効率いい事するね!気に入ったよ」

 鬼塚が感想を言うとその場にいた職員や利用者が拍手し始めた。

 小香シャオシャンは照れ臭かった。


 何でも屋に戻り、それぞれ報告書を書いた後、一華と伊万里が鬼塚さんのところに来て泣きそうな顔で

「鬼塚さん、今回厄介なんです。明日もしお時間よろしければ一緒に来てくれませんか?」

 伊万里が言った。

「わかった。あと、小香シャオシャンさんも一緒に」

 鬼塚が答えた。

「え!小香シャオシャンちゃんはまだ…」

 一華はびっくりした。

「いいんだ。小香シャオシャンさん、大丈夫?」

 鬼塚が尋ねると

「大丈夫です」

 そう小香シャオシャンは返事した。

 だが、一華と伊万里が担当している依頼で大変な事になるのだった。

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