第46話突然の別れ

 2035年8月5日。

 小香シャオシャンは恋人の北大路蓮と八坂神社へ行っていた。

 北大路の怪我は治ったが、小香シャオシャンはあまり元気がなかった。心配した北大路はたまに会って一緒に出かけていた。小香シャオシャンはというと北大路と出かけると気晴らしになってリフレッシュしていた。

小香シャオシャン、何度も言ってるが怪我の事はもう気にするな」

「ごめんなさい。私、蓮さんを守れなかった自分が嫌で…」

「何言ってんだよ。守るのは俺のほうだよ!」

「蓮さん…」

「だから、考えすぎるな」

 北大路はそう言うと小香シャオシャンを抱きしめた。


 八坂神社を出て2人は楽しく話していたその時、北大路の胸に何者かの腕が貫通し、大量に流血した。小香シャオシャンは必死で北大路の名前を呼んだが、北大路は息を引き取っていた。

 悲しむ小香シャオシャンの姿を見て血まみれになった腕を振り回す希腊シーラと後から来た衛城ウェイチャン愛琴アイチンがせせら笑った。

「鬼なんか殺すから悪いんだよ!」

 希腊シーラは怒鳴った。

「蓮さんは関係ない!」

 小香シャオシャンは泣いた。

「関係ない?恋人が鬼殺してるのにこの男が止めないのが悪いんだよ」

 衛城ウェイチャンはニヤリと笑った。

「なんでこんな事するの?」

 小香シャオシャンが言うと

「お前を退治するためだよ。後、酒呑童子様と自分達のため」

 愛琴アイチンは意地悪な言い方で話した。

「酒呑童子だって!」

 小香シャオシャンが驚くと同時に、希腊シーラ衛城ウェイチャン愛琴アイチンは高笑いしながら去った。


 後日、小香シャオシャンは北大路の葬式に出席し、北大路の両親に北大路を助けられなかった事を謝罪したが、北大路から話を聞いているため、小香シャオシャンからの謝罪の言葉より小香シャオシャンに会いたかった事や息子の仇を取ってほしいと告げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る