第47話遺された小香
2035年8月12日。
実家に着くと北大路の両親が出迎えてくれた。
お線香を上げた後、
「蓮から貴女の話は何回も聞いたわ。それに、貴女の事、結婚を考えてる女性だって」
「蓮さん…私の事、そう思ってたんですね…」
と涙声で言った。
「あの子、
北大路の母はティッシュを
「
北大路の父はそう言って頭を下げた。
「まず…蓮さんを殺した鬼…子供の頃の私を虐めた奴らを倒して蓮さんの仇を取ります」
北大路の実家を後にすると小巻から連絡が来た。
「大丈夫?凄く辛かったね…。気持ち治すのに時間かかるかもしれないけど、思い詰めないで。ところで、
小巻からそう聞かれ、
「だから心の傷を癒すためだと思って使ってほしい!」
「けど胡桃沢先生、私は…」
「彼氏が亡くなって辛いのは分かるよ!それに仕事しなきゃも分かる!けど、今の
小巻から厳しく言われ、
「わかりました…」
「ただ家にいるのあれだから鬼塚さんから何でも屋の時行った岩手の…トロールの農家さんの連絡先聞いてそこに少しの間行って田舎の空気を吸ってリフレッシュして来なさい」
「わかりました」
翌日の2035年8月13日。
ヨハンセン宅に到着するとヨハンセンと愛犬のビョルンが出迎えた。
自宅に入ると
「んだが…。
「はい…。彼は酒呑童子を倒したら私と結婚して静かに暮らしたかったって彼のご両親から聞きました」
「亡ぐなった彼氏さんを殺したのは、おめはんを虐めだ人達なんだよね?余計辛えでねぁーが?」
「辛いですよ。そいつらが原因で中国から逃亡して来たんです。9歳の時でした」
「9歳だが!?ニュースで小学生がら高校生までの子が虐めで苦しんで自殺して亡ぐなる子がいだぐらいだよね。虐める人間は一生直らねぁーがら厄介だがらどうすんべーもねぁーし…」
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