第54話茨木童子

 小香シャオシャン希腊シーラ衛城ウェイチャン愛琴アイチンとその両親の遺体が中国へ戻り、数日後に葬儀があった事を後に東京に帰って来てた際に知る事となった。




 2035年10月11日。

 小香シャオシャンは泊まっていた梅田のホテルを出て周辺を観光がてら茨木童子を探していた。

 すると、顔の整った男がなぜか小香シャオシャンの写真を通行人や観光客に見せながら話をしていた。

 その場から逃げようとしたが、すぐ見つかり、男は小香シャオシャン

雷小香レイシャオシャン…。お前は雷小香レイシャオシャンか?」

 そう男は言うが、小香シャオシャンは黙って睨みつけた。

「黙ってたんじゃわからないよ。ちゃんと答えてほしいな〜」

 男は煽るように言うと小香シャオシャンは口から芭蕉扇を出し、それを大きくした。

「やはりそうか…。そんなのしまってくれよ。あ!名前言ってなかったな。俺、茨木童子」

それを聞いた小香シャオシャンは怒りのあまり、芭蕉扇を仰ごうとしたが、茨木童子がその手を掴んだ。

「汚い手を離してほしい」

 小香シャオシャンがきつく言うと茨木童子は、手を離し、小香シャオシャンは芭蕉扇を小さくし、口に戻した。

「仲直りしたくてお前を探してた。それと俺の嫁にならないか?」

 その言葉を聞いた小香シャオシャン

「は?」

 訳がわからなかった。今までの酒呑童子の手下共や今目の前にいる茨木童子を敵として見ていた。そんな敵から小香シャオシャンにとっては最低な提案をされた。

「誰がお前の妻になるんだよ…。今まで私の大事な人を殺して…」

 小香シャオシャンは怒りに震えていた。


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