第37話虎熊童子①

 2035年6月2日。

 星熊童子を退治して1ヶ月が経った。

 その間に、酒呑童子は焦り始め、金熊童子や星熊童子と同じ大江山四天王の1人、虎熊童子に人間や妖怪の他に小香シャオシャンを殺害するよう命じた。

「童子切安綱を持った宋から来た妖怪と人間の混血の女を殺せ」

 酒呑童子は念を押すのだった。


 

 一方、小香シャオシャンは懐かしい人物に会っていた。

 その日、小香シャオシャンは高島屋へ買い物に行った帰りに

小香シャオシャンさん?」

 そう呼ばれ振り向くとそれは、数年前に何でも屋の依頼で行った岩手県で農業を営んでいるトロールのヨハンセンだった。

「ヨハンセンさん!?どうしたんですか?」

 小香シャオシャンは驚いた。

「農業フェスティバルがあって京都さ来だんだよ。それより驚いだよ!小香シャオシャンさん、何でも屋辞めで京都の大学の研究チームさ所属してらんだが?」

 ヨハンセンからそう聞かれ、小香シャオシャンは頷いた。

「そうなんですよ。しかも酒呑童子が暴れ出してからは、酒呑童子やその手下達の事を調べる事が多くなって…。幼い時から憧れてた牡丹さんは…酒呑童子に殺されて…」

 小香シャオシャンは項垂れた。

「ニュースで見だよ。あったな酷い殺され方で辛え。牡丹にはもっと活躍して欲しかったんだんだども、まさがあのタイミングで酒呑童子が出でくるなんて思わねぁーでした」

 ヨハンセンは牡丹が亡くなったニュースを見た時の事を思い出した。

「んだども、小香シャオシャンさん。その後手下共も暴れ出して人間や妖怪惨殺したよね。その内の金熊童子ど星熊童子は退治されだって聞ぎいで誰が倒したんだべど思ったらおめはんだったんだなはん。しかも童子切安綱で」

「どうしてそれを?」

 小香シャオシャンは今まで金熊童子と星熊童子を倒した事については、悟雲や鬼塚、小巻と言った者にしか話しておらず、ヨハンセンがなぜ知ってるか不思議に思った。

 それに気づいたヨハンセンは、最近鬼塚に再び依頼をした際、小香シャオシャンの事を聞いて知ったのだと言う。

 小香シャオシャンは童子切安綱をどう手に入れたか話すと

「沖縄さ流れ星が落ぢだど聞いではいだんだども、まさが刀だったどは信じられねぁー!しかも生ぎ物みだいに動ぐどが驚ぎの連続だわ」

 ヨハンセンは驚いた。

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