第38話虎熊童子②

 ここではあれだからと小香シャオシャンはヨハンセンと共に高島屋にあるカフェに入った。

 カフェに入り、注文を終えるとヨハンセンは小香シャオシャンに近況を話した、

 ヨハンセンの話によると、酒呑童子が牡丹を殺してから手下の鬼共が暴れ出し、ヨハンセンが住む岩手でも人間や妖怪達が殺されるなど被害を受けていた。

「おらの知り合いの人間の婆っちゃんも鬼共さ殺されで亡ぐなったんだよ!それど、遠野なんど河童や座敷童が無惨な姿で殺されでで皆怯えでらんだよ!おらはビョルンが鬼の匂い嗅いで知らせでけだおがげで近所ではあまり被害者が出ながったんだよ!」

 ビョルンとは、ヨハンセンが飼っているグレートピレニーズで以前、小香シャオシャンが畑仕事の依頼で行った際、ビョルンは見張るように小香シャオシャンを見ていた。

 ヨハンセン曰くビョルンは散歩中に鬼の匂いを覚えたそうだ。

「岩手や京都だけではないみたいです。日本各地で被害を受けている方は沢山います。私はなんとか酒呑童子を退治してみせます」

 小香シャオシャンが自信を持って言うと

小香シャオシャンさん、なんぼ手下倒したがらってボスの酒呑童子なんて言ったら…。奴は強いよ!すぐ復活したし」

「そうですよね…」

「前さ言ったが、気つけでくなんしぇ!なんぼおめはんが強いがらって油断してはいげねぁーよ!」

 すぐにヨハンセンは何かに気づいた。

「すまねぁー。偉そうな事言ってしまった」

「いいえ。仰る通りですよ」

 小香シャオシャンは正直に話した。


 ヨハンセンと別れた後、小香シャオシャンはついさっきまで聞いた話を思い出していた。


『酒呑童子…。お前はいつか…』


 小香シャオシャンは心の中でそう思っていた。

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