第22話帰京後

 2029年6月20日。

 牡丹が帰宅して1日が経ち、小香シャオシャンは情報収集をしていた。また、小巻からも情報を得ていた。

 一方、童子切安綱は未だ行方がわからないままだった。

 また鬼が暴れ出すのではないかと危機感を持った小香シャオシャンは明日帰る事を小巻に告げた。


 2029年6月21日。

 小香シャオシャンは東京に帰り、その足で鬼塚に京都での出来事を話した。鬼塚はテレビニュースで童子切安綱がなくなった事や鬼が殺人事件を起こした事を知った。その後、牡丹の様子を尋ねたところ、牡丹は国会議事堂に行けるぐらい元気になったが、やはりショックが大きく時々フラッシュバックをするようだった。鬼塚曰く、病院に通院もしてるようだ。


 それから時々連絡を取ってる悟雲達にも京都での出来事を話すと

「お前、気をつけろよ。鬼は容赦ないからな」

 と悟雲は助言をした。

「それとその刀はまだ見つかってないんだよな?」

「はい」

「もしかしたら京都にはもうないんじゃないのか?」

 悟雲はそう考えた。

「確かに矢のように飛んだってニュースでやってたな」

「そやな。悟雲の言う通り、もう京都にはないんとちゃうんか…」

 八刑と麗浄が意見を言った。

「実は日本のどこかにあって誰も探さないところにあったりして…」

 玉蘭が怯えた。

「それはあり得るな。後は海外まで飛んだとか」

 悟雲は予想した。


 2029年7月16日。

 未だ童子切安綱は見つかっていなかった。

 博物館の関係者は危機感を感じていた。


 この事件から京都だけでなく、日本各地で鬼による殺人事件が頻発していた。


 鬼の事件は中国にも伝わり、小香シャオシャンの祖父母と両親は大変心配し、祖父の牛魔王は孫の小香シャオシャンのために、自分が使っていた長刀を中国から送った。


 鬼の事件はいつまでも解決できず、警視庁は逮捕ではなくその場で殺しても構わないと指示が出た。また、警察だけでなく、機動隊も動き始めた。

 鬼は他の妖怪同様人間に化けて暮らしていたため、区別はしにくかったが、次第に猫のように長い爪を出すなど特徴がわかってから以前より食い止められた。


 警察の捜査などで、元々鬼だった者がいれば憎悪の念を抱いたり恨みを持った人間から鬼になった者と2パターンがある事がわかった。


 そんな中、小巻から小香シャオシャンに連絡が来た。

小香シャオシャンちゃん、久しぶり!お互い鬼の事で大変だよね…。実は、小香シャオシャンちゃんに助手をお願いしたいの!」

「え?助手?」

「実は研究チームで人を増やしたくて小香シャオシャンちゃんが適任だと思ったの!どう?」

 小巻の提案に小香シャオシャンは考えた。自分は何でも屋にいてやりがいを感じている。だが、牡丹と会話したり京都に滞在して自分も牡丹のように妖怪達が人間が平和に過ごせる世の中を考えるきっかけになった。

 小香シャオシャンは、小巻に明日返事するよう伝えた。


 小香シャオシャンはその夜じっくり考え、今まで自分が日本に来てからの出来事を懐かしく思い、同時に日本でどうしたいか次第に明確になってきた。


 翌日の2029年7月17日。

 小香シャオシャンは小巻に助手の件を承諾し、1ヶ月後に何でも屋を退職する事になった。

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