第21話童子切安綱
2029年6月17日。
お目当ての刀を見た
「この刀は童子切安綱っていうのよ!」
小巻が説明した。
だが、展示されている童子切安綱が微かに動いたのを
今度は別の博物館に行き、酒呑童子に関する展示を見た。
今までアニメや童話の世界でしか聞いた事なかった鬼に、
近くのレストランで食事をしている時、小巻は
「中国の妖怪って言ったらやっぱり孫悟空やあなたのお祖父様達なの?」
と
「はい。後は妲己という狐の妖怪がいますし。孫悟空はご子息が日本に住んでます。私、会った事があります」
「そうなんだ。意外ね。孫悟空と牛魔王は義兄弟だったから何かしら繋がってるのね」
小巻は興味深そうにしていた。
「やはり妖怪や妖怪の血を引く者が人間社会で逞しく生きている話を聞いてやりがいを感じます」
牡丹はほっとした。
その後、小巻が
ホテルに戻り、
「まさか、酒呑童子が生まれ変わっているのでは…」
翌日の2029年6月18日。
その日は、小巻の勤める大学へ行き、見学だけでなく、特別に小巻が授業に
その夜、博物館では童子切安綱が揺れるように動いていた。それを警備員を殺して無断で入った鬼がいた。
2029年6月19日。
昨日、博物館で警備員が鬼に殺害され、死亡したニュースが流れ、
一方、博物館では、警察の取り調べが行われた。その結果、殺人以外に童子切安綱がガラスを割り、飛ぶように何処へ行ってしまった事がわかった。
「鬼だ。鬼が蔓延って犯罪犯したりしてらがらなんだ」
「強いで言うんだら鬼鎮める方法探してからだなはん。例えば、鬼殺せる刀探すとが」
「刀は例えだよ。後、これは噂だんだども、源頼光が酒呑童子を殺した刀があるらしいだよ!」
「もしかして…酒呑童子…?」
だが、警備員を殺した鬼は結局見つからず、分からず終いだった。
その夜、小巻から連絡があり、牡丹の体調を心配していた。
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