第20話京都へ…

 2029年5月29日。

 小香シャオシャンは、鬼塚を真っ直ぐ見つめて

「鬼塚さん!京都行ってその刀の事聞きたいし、見たいです!」

 突然のお願いに鬼塚は驚いて

「わかった!一応連絡して見るよ!」

 と小香シャオシャンの熱意に応えた。

 それを聞いて牡丹も行きたいと意思表示したが、秘書の白鳥道子が来週は無理だから次の週にするよう注意した。

 鬼塚は、すぐに育ての親の桜田宗二郎に連絡し、小香シャオシャンが教え子と話したい事を伝えた。桜田は分かり次第連絡する事を鬼塚に伝えた。


 翌日の2029年5月30日。

 桜田から教え子とのアポイントが取れた事を聞き、すぐに鬼塚は小香シャオシャンと牡丹に報告した。

 小香シャオシャンは京都に行くのは、初めてだった。久保村家に居候していた時は、大阪に旅行に行った事があったが、京都は今まで行った事がなかった。


 2週間以上が経った2029年6月16日。

 小香シャオシャンと牡丹は京都に向かった。京都駅に着くと桜田の教え子の胡桃沢小巻が2人を迎えに来た。

雷小香レイシャオシャンさんね!胡桃沢小巻です!よろしく!」

 と自己紹介した。

「無理言って申し訳ございません。私のために」

 小香シャオシャンは謝罪したが、

「大丈夫よ!私も気になってた事だから」

 今度は牡丹に

「牡丹さん、申し訳ございません。お忙しいのに」

「いえいえ。私も無理言ってしまったみたいで」

 そう牡丹と小巻は話していた。

 2人は小巻の車に乗り、ホテルに向かった。

 小巻は明日2人を源頼光にゆかりの場所に連れて行きたいとホテルの近くのカフェでそう話した。

 この京都での滞在が小香シャオシャンにとって印象的な思い出になるとは、この時の小香シャオシャンは知る由もなかった。

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