第23話思い耽る

 2030年1月19日。

 小香シャオシャンが小巻の助手になって4ヶ月以上経った。

 最初はわからない事だらけだったが、小香シャオシャンが活躍する場面が多くなり、今では小巻の所属する研究チームの立派な一員になった。

 

 その日、小香シャオシャンは休日で今まで出来なかった京都観光をしていた時、修学旅行中の小学生達がいた。だが、その引率してる教師の中にかつて小香シャオシャンが居候していた久保村家の父親の久保村虎太郎だった。小香シャオシャンは思わず、虎太郎のところに走った。周りの小学生達は不審な目で小香シャオシャンを見ていた。

「虎太郎先生!」

 小香シャオシャンが嬉しそうに声をかけると

小香シャオシャン!?久しぶり!」

 虎太郎も嬉しそうだった。

「久保村先生ー!知り合い?」

 生徒の1人が聞くと

「うん。一時期先生の家に居候してたんだ」

 虎太郎が説明した。

小香シャオシャン、時々どうしているんだろうって思ってたんだよ!元気そうでよかった」

 虎太郎が明るく言うと

「色々あったよ。何でも屋辞めて今は京都で妖怪の研究してる研究チームに所属してるよ」

「凄いね!僕は今でも覚えてるよ!君がうちに来た時の時やお祖父さんが迎えに来たら日本にいたいって泣いて訴えてた時の事を…」

「やめてよ。虎太郎先生。あ!婆さんや伊代さん、希子ちゃんは?」

「母さんは元気だよ!小香シャオシャンがいなくなった後すごく寂しがってた。妻は相変わらず仕事頑張ってるよ!希子は、横浜の大学行ってるよ!」

「あー皆に会いたいな」

 一瞬周りを見た小香シャオシャンは、虎太郎が仕事中だと改めて気づき、申し訳なさそうにその場を去った。


 その日の夜、小香シャオシャンは、昼間虎太郎と話した祖父の牛魔王に泣きながら訴えた時の事を思い出した。










「我告诉爷爷悟云先生,我决定留在日本,所以我不会回来了!(悟雲さんに伝えましたが、お祖父様、私は日本にいると決めたから帰りません!)」

「为什么? 你的奶奶、爸爸、妈妈都很担心(どうして?お祖母様も父上も母上も心配してるぞ)」







「讨厌!听悟云先生说,希腊、卫城和爱琴没有反省欺负我的事情!而且我...(嫌です!悟雲さんから聞きましたが、希腊シーラ衛城ウェイチャン愛琴アイチンは私を虐めた事を反省してないって!それに私は…」

「我知道!你受金长牡丹的影响,想去日本吧!是因为听说去日本的话会接受妖怪吧?那样的长大了以后也能做到吧?(わかるよ!お前は、金長牡丹の影響で日本に行きたかったんだろ!日本に行けば、妖怪を受け入れてくれるって聞いたからだろ?そんなの大人になってからでもできただろ?)」










「小香,我们做了很多坏事...。竟然是这么想的...(小香シャオシャン、俺達は散々悪い事をしたんだぞ…。そんな風に思ってたなんて…)」

「读了这本书,我明白了爷爷们做的事。但是,牛魔王、罗刹女、圣婴大王都是我的爷爷、奶奶、父亲是事实,和以前一样是很棒的祖父母和父亲的心情(この本を読んでお祖父様達のした事がよくわかりました。けど、牛魔王も羅刹女も聖嬰大王も私のお祖父様、お祖母様、父上なのは事実で、今まで通りすごい祖父母と父親って気持ちです)」









「但我不会回去。 我不想再有那样的感觉(だけど、私は帰りません。二度とあんな思いはしたくないです)」










「对不起,爷爷! 我真的很想来这里!(お祖父様、ごめんなさい!私はやっぱりここにいたいです!)」









「お祖父様…」

 小香シャオシャンは呟いた。




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