第35話星熊童子④

 2035年5月3日。

 小香シャオシャンが五条大橋を歩いているとすれ違った男に何かを感じた。後ろを振り向くと男は猫のような爪で人を殺していった。

 小香シャオシャンは男に向かって走って行き、童子切安綱を抜き、男を切ろうとした。

 すると、男の皮膚が剥がれき鬼の顔が現れた。

「まさか星熊童子…」

 男は小香シャオシャンの言葉に

「そうだ」

 と気味の悪い笑みを浮かべていた。

 男は小香シャオシャンを蹴飛ばしたが、小香シャオシャンは童子切安綱を盾にして食い止めた。

 小香シャオシャンを面白くないと思った男は、小香シャオシャンの胸ぐらを掴むと鴨川に向かって放り投げた。

 小香シャオシャンは、真っ逆さまに鴨川に落ちていった。






「私は星熊童子を倒せずに死ぬのか…」

 心の中でそう呟いた。

「山本様と神野様に自信持って堂々と言ったのに…」



 小香シャオシャンはあの時、山本五郎左衛門と神野悪五郎に宣言した事を走馬灯のように回想した。




「倒しました…。以前…手下の1人、金熊童子をこの童子切安綱で倒しました!」



「はい!倒しました!だから他の手下を倒し、最後は酒呑童子を倒します!」






「自分は何やってんだろう…」

 そう思う小香シャオシャンは思ったが、すぐに気持ちを切り替えて鴨川から上がった。



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