第27話希腊と衛城と愛琴の憎悪

 2033年7月23日。

「愚蠢的小香!脑子有问题的小香!爱哭鬼小香!你被酒吞童子杀了吧!(お馬鹿な小香シャオシャン!頭がおかしい小香シャオシャン!泣き虫小香シャオシャン!お前なんか酒呑童子に殺されてしまえ!)」

 小香シャオシャンに対して希腊シーラ衛城ウェイチャン愛琴アイチンは再びせせら笑いながら言った。

 小香シャオシャンは涙が出そうだった。

「この子達、例の虐めてきた子?」

 希子が尋ねると小香シャオシャンは頷いた。

 すると希腊シーラ衛城ウェイチャン愛琴アイチンは飲み物が入って紙コップと食べ物が盛られてたトレーを投げつけてきた。

 それを見た希子は耐えられなくなり、希腊シーラ衛城ウェイチャン愛琴アイチンの頬を力一杯叩いた。

「いい加減にしてよ!小香シャオシャン泣きそうじゃない!小香シャオシャンから中国であなた達から虐めを受けてたって聞いたわ!最低!関係なくなっても嫌がらせするなんてどこまで性格悪いの!もう小香シャオシャンに関わらないで!」

 希子が怒鳴ると近くにいた希腊シーラ達の家族とガイドと通訳が止めに入った。通訳は、希腊シーラ衛城ウェイチャン愛琴アイチンに希子が言った内容を話すと

「你这个臭婊子!(このクソアマ!)」

 希腊シーラは希子の髪を強く引っ張った。

「希子ちゃん!」

 小香シャオシャンは希子を助けようとしたが、近くで見ていた観光客が通報した警察が止めに入った。希腊シーラ衛城ウェイチャン愛琴アイチン小香シャオシャンと希子を睨みつけた。

 希腊シーラの両親と衛城ウェイチャンの両親と愛琴アイチンの両親は小香シャオシャンと希子に謝らず

「是你的错。我会注意我的孩子(お前が悪いんだよ。うちの子を注意するから)」

 そう捨て台詞のように言って我が子らと共に去った。

「希子ちゃん、大丈夫?」

 小香シャオシャンは心配そうに声をかけた。

「うん…。本当最低ね!あの子達」

 希子はそう言って髪を直した。


 夕方になり、小香シャオシャンは希子と別れ、アパートに戻った。


 その後、希腊シーラ衛城ウェイチャン愛琴アイチンが鬼になるとはこの時の小香シャオシャンは知らなかった。


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