第29話金熊童子②

 2035年4月18日。

 金熊童子が京都で殺害事件を繰り返していた事が判明された。

 これをきっかけに、京都に住む妖怪達は

「酒呑童子の手下の金熊童子がまた殺したよ…」

「嫌だ。次は俺じゃないかな…」

「明日は我が身だからな…」

「俺死にたくない!」

 ある者は泣き叫び、ある者は不安に思っていた。

 妖怪達は何処で聞いたか分からないが、小香シャオシャンの噂を聞き、妖怪達は度々、小香シャオシャンのアパートを訪れ、小香シャオシャンに相談しに来ていた。当初、小香シャオシャンは驚いていたが、話を聞くうちになんとかしたいと考え始め、研究チームの仕事の傍ら妖怪達に寄り添っていた。

 小香シャオシャンはかつて酒呑童子を退治した源頼光が所持していた童子切安綱を持っており、その童子切安綱は生き物のように心を持っている不思議な刀だった。今回の金熊童子の話で童子切安綱は早く退治したくてうずうずしている様子だった。

「童子切、お前戦いたいのか?」

 小香シャオシャンはそう聞くと童子切安綱は頷くように動いた。

「そうか…。もし奴が出てきたらお前を使うからね」

 小香シャオシャンは優しく撫でた。

「長刀と芭蕉扇と三昧の真火だけじゃダメだもんね」

 小香シャオシャンは呟いた。


 翌日の2035年4月19日。

 その日から小香シャオシャンは修行を始めた。幼少期に祖父母と父から教わった妖術を極めるように仕事が終わると小香シャオシャンは誰もいないところで修行をしていた。同時に童子切安綱との信頼関係をよくするために妖術の修行と同時並行で剣術も極めていた。


 妖術の修行は時々仕事で京都に出張で来る悟雲達にも見てもらい、悟雲達からアドバイスをもらっていた。


 小香シャオシャンが修行をしている一方で、顔がバレた金熊童子は人間に化けて生きていた。

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