第18話鎮める方法

 2026年7月6日。

 ヨハンセンの言葉を聞いて4人は、数年前から人間に化けた鬼が事件を起こしている事を思い出した。ある鬼は子供を誘拐し、またある鬼は殺人事件を起こしていた。

 小香シャオシャンは勇気を出して

「ヨハンセンさんは妖怪と人間が平和に過ごせる世の中にするにはどうしたらいいとお考えですか?」

 と尋ね、同時にヨハンセンの足元で寝ていたビョルンが聞き耳を立てた。

 ヨハンセンは難しい顔をして

「んだなはん…。さっき話した通り牡丹だげじゃ手さ負えねぁーからね。んだども、難しいね…」

 それを聞いた小香シャオシャン

「すみません…」

 小香シャオシャンが謝るとヨハンセンは

「強いで言うんだら鬼鎮める方法探してからだなはん。例えば、鬼殺せる刀探すとが」

 と天井を見た。

「刀…。でも銃刀法違反になるんじゃ…」

 千鶴が意見を言うと

「ドラマで使ってるのでもいいんじゃないですか?」

 金田一がふざけて言うと千鶴が金田一の頭を叩いて

「どうやって探すのよ!使っても全く効果ないわ」

 とツッコミを入れた。

「刀は例えだよ。後、これは噂だんだども、源頼光が酒呑童子を殺した刀があるらしいだよ!」

 ヨハンセンが話すと

「源頼光…酒呑童子…。なんか聞いた事ある…」

 小香シャオシャンが首を傾げると

小香シャオシャンさん、聞いた事あるんですか?」

 莉々が尋ねると

「前に、源頼光が酒呑童子を討伐する話が書かれた本を読んだ事ある」

 小香シャオシャンが話した。

 以前、小香シャオシャンが久保村家に居候していた時に、希子から借りて読んだ事があった。

「その刀って何処にあるか、ご存知ですか?」

 小香シャオシャンが尋ねると

「刀は確が京都にある筈だ」

 ヨハンセンが教えた。

「京都…」

 小香シャオシャンが呟いた。

「ちょっと待ってください!鬼っていったら鬼塚さんだって…」

 金田一が大声を出すと

「あのさ、鬼塚さんは子供の頃人間に育てられたからそれはないよ!」

 千鶴が腰に手を当てて話した。

「わかってるよ!心配しただけだ!」

 金田一がそっぽ向いた。

「まぁ、おらだづがどうこう言って改善はしねぁーげど」

 ヨハンセンが苦笑いした。

「はい。そうですよね…」

 小香シャオシャンが相槌を打った。


 それから最終日まで小香シャオシャン達はヨハンセンの畑仕事を手伝った。

 最終日の2026年7月12日。

 ヨハンセンは別れ際、小香シャオシャン達に

「お身体さ気つけでくなんしぇ。後、鬼さ気つけでくなんしぇ。まだ鬼さ関する事件は絶えねぁーがら」

 と声をかけた時、バスが来て4人はヨハンセンに別れを告げ、バスに乗った。


 小香シャオシャンはあれから何度も鬼が犯罪を犯した事件をニュースで聞いた。

 小香シャオシャンを心配して悦子達久保村家の面々や東京の企業で働いている悟雲から連絡が来て小香シャオシャンは、ヨハンセンから聞いた源頼光の刀と酒呑童子の話をすると悟雲は関心を持って聞いていた。

 だが、いつまで経っても鬼を鎮める事ができない様子だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る