第10話何者か…

 2023年6月12日。

 牛魔王は、ある人物と電話をしていた。

「ああ、俺だ…俺の孫は日本のどこにいるんだ?…そうか…わかり次第また連絡してほしい!それじゃあ…」

 牛魔王は1ヶ月前に孫娘の小香シャオシャンが日本へ逃亡し、ずっと慣れないネットを使って妻の羅刹女、息子の聖嬰大王、嫁のメイと協力して情報収集して孫娘を探していた。そんな中、昔の知り合いに頼んで孫娘の居場所についてもっと詳しい情報を知りたいから情報収集をお願いした。

「父上!小香シャオシャンは?」

 聖嬰大王が尋ねると牛魔王は小香シャオシャンがいる事を教え、はやる気持ちでメイと日本に向かう準備をしようとしたが、知り合いからの連絡を待って動いたほうがいいと牛魔王が言い、聖嬰大王夫婦は準備を止めた。

















 2023年6月19日。

 小香シャオシャンは久保村家と一緒に映画を観に行った帰りに本屋に行った。

 虎太郎が小香シャオシャンと娘の希子に本を1冊選ぶように言うと小香シャオシャンは児童書のコーナーへ行き、希子は文庫書籍のコーナーへ行った。

 児童書コーナーに着いた小香シャオシャンは、本を一冊一冊、冒頭のページだけを読み、本を選んでいた。候補が『マジック・ツリーハウス』と『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の2冊に決まった。悩んだ末、『マジック・ツリーハウス』に決まり持って行こうとしたその時、小香シャオシャンは『西遊記』の本が目に入り、『マジック・ツリーハウス』を元の棚に戻し、『西遊記』を取った。かつての自分の祖父母と父が登場するため、過去の祖父母と父の事が知りたい気持ちで『西遊記』の本を選んだ。

 本を持って虎太郎のところに戻ろうとしたが、すれ違った大学生グループに何かを感じた小香シャオシャンは振り向いたが、大学生グループはもうその場にいなくなっていた。

「あれ?何だったんだろう…。今の人達…」

 すると前から希子がやって来て小香シャオシャンと共に虎太郎のところに向かった。

 2人の本を確認して虎太郎は本を購入した。

 本屋を出た後も小香シャオシャンはずっと大学生グループが気になっていた。

小香シャオシャン?どうしたの?」

 心配して希子は尋ねたが、

「えっと、さっきいた女の子の服が可愛かったからつい…」

 小香シャオシャンは希子に心配かけまいと嘘をついた。

 希子は気にしてない様子で、話題を変えて小香シャオシャンに自分の買ってもらった本を見せた。

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