第32話星熊童子①

 金熊童子を殺された酒呑童子は小香シャオシャンに殺されるのではないかと危機感を持ち始めた。

 かつて自分を退治した源頼光が所持していた刀・童子切安綱は、小香シャオシャンが持っており、小香シャオシャンは、その刀で先日金熊童子を殺した。

 怒り狂った酒呑童子は、金熊童子と同じ大江山四天王の1人・星熊童子に、引き続き人間と妖怪を殺害するよう指示した。


 2035年4月24日。

 2日前の金熊童子の戦いで、小香シャオシャンはどっと疲れたが、大量に食事をし、長く睡眠したため、翌日にはすぐ回復した。小巻にこの事を話すと

小香シャオシャンさんは異常に回復力が高い体質じゃないかな?」

 そう推測すると、小香シャオシャンは3歳の時に、祖父母と父との修行で倒れるぐらい疲れたが、餃子を爆食いし、長い時間寝た後、翌朝、何事もなかったように元気になっていた。それを見た祖父母と両親は、妖怪の血が濃いから回復力が高いとわかった事を話すと

「そういえば、妖怪でも回復力高い妖怪がいるよね」

 小巻がそう言った。

 すると、同じ研究チームのメンバーがドアを開け、息せき切って来た。

「どうしたの?中島君!」

 小巻が尋ねると中島は

「ネットニュースを…見てください!後…テレビつけてください!」

 そう言って小香シャオシャン達はテレビをつけ、スマホを見ると、そこには、衝撃的なニュースが流れていた。

 それは、酒呑童子の手下の星熊童子が単独で人間や妖怪を大量殺害を行っていたニュースだった。

「星熊童子…。この間倒した金熊童子以外にもこんな強いのがいたの…」

 小香シャオシャンは唖然としたが、金熊童子を倒した後に悟雲から

「喜ぶのはまだ早いぞ。他に手下いるんだ」

 と言われた事を思い出した。

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