第129話 大盾
「お買い上げどうも。」大盾が劣化しているかどうか調べているのか、店主は隅々まで大盾を調べていた。店主に髪の毛は無く、深い彫りの顔に色黒がよく似合っている。それから工業用のエプロンのような物を身にまとっていて、本当にそれらしい。
「ありがとう。」確認作業が終わったらしく、店主は僕に大盾を渡した。と言っても大盾は大きいので、店の机の僕側に置きなおしただけだけれど。それでも僕は、大盾が手に入ったことを嬉しく思った。きっと、これからの冒険において、役に立ってくれるに違いない。
「いいってもんよ。」やはり大盾は、その見た目には反して軽かった。どういう理屈なのかは正直分からないけれど、こんなにも丈夫で軽いのには理由がありそうだ。それを店主に質問してみる。
「この盾、以外に軽い。」そう言うと店主は得意そうな顔になって、僕の方に視線を向けた。そして何やら店の机の中を探り、あっという間に一つの鉱石を取り出した。一体何の鉱石だろうか。
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