第121話 受付
「教えて欲しい事があって……。」僕は先程の紙を受付嬢の前に置いた。受付嬢は一言断ってからその手紙を取り、慎重に読み勧めた。受付嬢は少し笑ったかのような声を出すと、僕の方に紙を返した。そこに、悪意は感じられなかった。
「お客様、こちらは正規の請求書でございます。」受付嬢はそう言って、軽く頭を下げた。意外な結果だだった訳では無いけれど、お金を集めるのが少し大変そうだ。多分、ある程度はそこに時間を費やさなければならないだろう。ダンジョンが良いかな?
ダンジョンを2日以内に攻略して、この町を出る。それを目標にして頑張るしかなさそうだ。早々楽な道のりではない事は分かっている。けれど僕には、それでも行かなければならない理由がある。必要な物は、食料と水と衣服だけなのだから、早く済ませて行ってしまおう。
「これで。」僕は今ある限りの自分の全財産を見た。1506ナール、恐らくだけれど、15倍位にしないといけなそうだ。面白くなってきた。
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