第13話 言い伝え


 最初に向かう事にしたのは、1番近かった、聖職者ナータの治療所にした。


 入ってみると、怪我人が2人と、聖職者らしき姿の女性がいた。


 今は丁度、治療をしている最中なのか、魔法の呪文を唱えている様だった。


「全ての者に癒しを、ライトヒーリング。」


 女性が唱えた後、怪我人の怪我が、緩やかに治っていった。


 ――予想道理だった。僕の持っている体質、不老不死は、通常のヒーリングとは、余りに違っていた。


 仮説だけど、通常のヒーリングが、怪我の自己再生力を活性化させる物だととすれば、俺の体質・不老不死は、身体を再生させる物だと言える。


 本当に凄いも手に入れてしまったと、改めて感じた。


 でも、魔力感知がないと物も見えないのは、結構悲しい。


 もう1人の怪我人が治った所で、話を聞いて見る事にした。


「すいません。ちょっといいですか?」僕がそう聞いた時に、聖職者の女性が


「勇者様。長らくお待ちしていました。」


 そう言った――なぜ分かったのだろうか?


 素性は明かしていないはずだし、まだここに来て数日と経っていない。


 しかも僕は、死んだ事にされているはずだけどな。


 最初からここに来る事が、分かっていたのかも知れない――本当かは分からないが、預言者と言う人もいるみたいだし。


 聖職者の女性は「こちらです。」と言って、俺を案内してくれた。


 暫く歩いていくと、村外れの井戸のような場所に着いた――ここもかなり怪しいな。


 女性が呪文を唱えた――


「オープンインフィニティ。」


 その呪文を唱えた瞬間、「ゴロォォォォ」という音が、地中から響き、地下へと続く階段が現れた。


 「どうぞこちらへ。」


 導かれた先にあったものは――


 神秘的な水晶の神殿だった。


 そこには、さっきの女性と、厳つい男性、お爺さんと、青年がいた。


 ――何でこんな所に、4人も人が集まっているのだろうか。


 もしかしたら、ここにいる4人全員が、僕の正体を知っている可能性がある。


 これはかなりまずい状況だな――4対1は流石にきつい。


 ――お爺さんが言った。


「混乱しているじゃろうが、ここに呼んだ理由は、お主が勇者だからじゃ。」


 ――僕の職業が勇者だということを、何で知ってるんだろう?




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 どうも、作者の椋鳥です。


 最近はコロナが凄いですよね。皆さんも是非、気をつけて下さるとありがたいです。


 これからも頑張って行くので、応援宜しくお願いします。


 最後になりますが、誤字脱字等がありましたら、コメントで伝えていただけると幸いです。




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