第2話 始まりの言葉
光が差した後僕が見た物は、そばかすが少しある、綺麗な女性だった
腕を動かそうにも足を動かそうにも、手も足も小さ過ぎて上手く動かせない。声を出したくても、まともな声が出ない
これは、転生と言うものなのだろうか――以前どこかの書店で、転生を題材にした小説を、読んだ気がする
それならこの人は母親だろうか?雰囲気が少しだけ、母に似ていた
少し経って暫定母が、綺麗な声色で言った
「ノール、ごはんですよ。」
この世界での、否、新たな僕の初まりの言葉だった
その後は少し昼寝をしてから、小さい体で部屋を見渡した。部屋はかなり古い造りだった。家の中もそうだが、余程の過疎地なのかも知れない
日本でも、古い家なんて探そうと思えば沢山あるから、この家もその一つなのかもしれない。生活に苦労しそうだ
父さんや母さんの話し声が聞こえる。世間話や僕についてなど、他愛もない話をしていた
僕の事をノールと呼んでいたように、他の言葉も日本語の発音に似ている物ばかりだった。でも少し英語に近しい様な感じもするのでなんとも言えない
あまり会いたくないけど、日本人がいるのかも知れない
その後も日々を過ごし、気づいたら2歳の誕生日を迎えていた。そして、今の僕は二歳なのにそれなりの事が出来た
母が教えてくれて、会話は大体出来る様になり、文字も書けるようになった。手伝いもそれなり出来るし、父さんと一緒に走る事もできるようになった
しかし、かなり異常だと思ってしまった。走る距離はこの歳にしては長過ぎるし、母さんの教えている会話や文も、この歳にやるにしては難し過ぎる。何かおかしいな――多分
いや気のせいか、少し眠いな。
この世界での僕の名前はノール、母さんの名前ははキセル、父さんの名前はゲーテという
姓はアムガミスタだから、僕の名前はノール=アムガミスタになる。そうすると、母さんはキセル=アムガミスタ、父さんはゲーテ=アムガミスタになる
本当に転生したのだと、改めて実感することが出来る、良い機会になった
僕は大丈夫だろうか、少し不安になりながらも僕は、窓の側へ行き、初めてそこらか景色を見下ろした。
そこには、驚く様な景色が広がっていた。
黄金色の畑、透き通るような空、何処までも続く大地
綺麗だ。これ以上言い表せない程に。
僕が日本にいた時も、色んな景色を見た事があったけど、何故か他人事の様に、僕は感じていたと思う。まあ、理由は明確なんだ
だけど今だけは、いやこの世界なら僕は、
生きている。そう思うことが出来た。
「危ないじゃない。こんなところで何してるの!」
母さんが来た、母さんは僕を抱き抱え、無理矢理部屋へ移動させた。これは、部屋で大人しくしてろってことかな
母さんが言ってたから間違いは無いと思うが、この世界にはなんと、魔法というものがあるらしい。
しかし、この魔法というのは魔力が必要で、普通の人に扱える人は極小数なのだそうだ
だったらどうやって魔法を使うのかと、母さんに聞いてみると、才能が全てだと笑って言っていた
そして僕は、世界の真理であるかの様に、魔法が使えなかった
魔法。使ってみたかった
どうも作者の椋鳥です。
お陰様で10pv行きました。本当に、ありがとうございました。これからも応援、よろしくお願いします。
最後になりますが、誤字脱字等ありましたらコメントなどで書いていただけると有難いです。
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