第3話 始まりの魔術
父さんはとても強い魔法使いなんだと、母さんは言っていた。
――しかし、あの体格で魔法使いなのは、僕には意外すぎた。
引き締まった体、彫りの深い顔、そしていかにも強そうな雰囲気。もはや剣士にしか見えない。
いや、恐らく剣を使って戦えると思う。家に木刀が何本もあったから間違いない。
「父さんの魔法が見てみたいんです。」と父さんに言ったら、早速魔法を見せてくれると言ってくれたので、見せてもらうことにした。
家の中庭で見せてくれるそうだ。
父さんが準備運動をした後、魔法を詠唱した。
「――ライトニング・ファイア!」
最初は炎が吹き出したかと思ったけど、いきなり雷を纏って小さい荒らしのような魔法になっていた。その魔法は空へ飛んでいき、やがて塵となって消えた。
これが魔法なのか――すごい。いや、凄すぎる。
魔力を消費するだけでこんな事が出来るなんて、本当に父さんは凄いんだな。僕も魔力があれば魔法が使えたのに。――悔しいな。
ゲーテ父さんは火と雷に適正があり、それぞれ単体としての魔法として使えて、複合魔法まで扱えると言っていた。
恐らくさっき使ったのが、複合魔法の縮小版だと思う。だからあんな事が出来るのか。
こう言うのってさ普通、転生した僕とかの設定だよね――無いものねだりしてもしょうがないか。
さっきの予想は当たっていた。父さんは剣術を、なんと中級まで取得していた。
控えめに言わなくても、父さんに勝てる日が来るとは思えない――少なくとも、父さんが元気な内は。
この世界ではスキルという物も存在していて、レベル1からレベル100まであると、母さんが言っていた。
そして、父さんのゲーテは剣術を中級(レベル20)、魔術は上級(レベル30)まで上げたらしい。
この世界では、一年修行して、スキルレベルがやっと1あがるかどうかなので、父さんがいかに強いのかが分かる。
本当に勝てる気がしてこない。いや、いつか勝てるくらい頑張ろう。
だけど父さんの年齢は25歳なので、どうやっても上がらないはずだけど、どうやって上げたのだろうか――何かコツがあるのかも知れない。
気になって父さんに聞いてみたが、はぐらかされてしまった――まあ、いつか教えてくれるだろう。
その後は素振りをしながら声を出したり、走り込みに行ったりして、暇を潰した。
せっかくの休日なのに、出来る事が少ないのは悲しいな。
前世の名残か分からないが、この世界でも僕は、友達がいなかった――
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうも作者の椋鳥です。
こうして小説を書けているのも皆さんのお陰です。これからも応援よろしくおねがいします。
まだまだ至らない点も沢山ありますが、暖かい目で見守っていただけるとありがたいです。
最後になりますが、誤字脱字等ありましたらコメントで書いていただけると嬉しいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます