第123話 久魔物

「牙、爪、毛皮。」今考えられる、換金率の良さそうなものたちだ。今の季節は日本でいうところの秋。ティランという魔物から落ちる牙は、この時期の工芸品の最高級品を作るのに使われる。しかし、需要に比べて流通量が少なく、高値で取引されている。次に爪アガルタスクという熊に似た魔物で、獰猛そうな見た目とは裏腹に、人間を食べたりはしない。いくら何でもアガルタスクを討伐するのは無しだろう。最後にボーンラビットの毛皮、こちらも同じく人間を襲わない、比較的穏やかな性格の魔物だ。これも無いだろう。


「ティランは……。」植物系の魔物であるが、分類が植物系なだけで、なんと牙が生えている。牙は木の幹の裂け目のようなところに、上下合わせ4本生えている。僕は見たことはないけれど、魔物の討伐表に絵が乗っているのは、よく見ている。魔物の討伐表は酒場などで見ることが出来て、意外に便利だったりするので、冒険者の中でも重宝されている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る