第25話 深層閃光
最初が存在したなら完了も存在するのが必然だと僕自身は頭で考えていた。
だから先の到底見えない漆黒の様な溝にも、点線程の閃光なら有るのが普通だと認識していたし、様々な状況に置かれ続けても大丈夫なのはこの思考が基盤であり根底にあった事に他なら無いだろう。
「ゲーテ」父さんや「キセル」母さんとの別れから始まり「修業の儀」での連行騒動や王城での死刑宣告、怒涛のダンジョン攻略からのエミリーとの激しい死闘。
結局は和解し合い仲間とは呼べない迄も互いに信用出来る位の事はして来たと思う。色んな人々と出会う事が出来たし、「リンダ」とも運命的とさえ呼べる出会い方をした。紆余曲折が星の数程重なり今が形作られたと思う。
‥‥‥そして現在。僕を長く永く苦しめた「勇者の呪い」又の名を「ペナルティ」は解除の一歩手前まで追い込まれていた。「どうじゃ?」と言われた様な気がしたが、脳に入る情報は最早皆無だ。
と言いつつ特殊な鉱石「ラグナロクストーン」で覆われた部屋を繊細冷静に見渡した。扉は何処にも見当たらず、何の変哲も無い石にしか見えない「ラグナロクストーン」で覆われた部屋に僕は居る。
部屋の六面全体に多少の欠落ちも見え取れ無いのは少々不気味だが、それ以外は本当に何も異常がない唯の個––という思考に至る前にこの部屋の異常に気が付いた。それは家具が一つも無いという事だ。此処には絨毯も敷いて無ければ、棚の一つも置いて無い。扉の一つも作って無いのは些か問題だろう。
「では、これより解呪の儀式を行う。」
改まった口調で老人がそう呟くと、僕は魔力感知のスキルを解除し展開を待った。
「――汝ら、大地と空の無垢なる子よ。森羅万象の一部を読み解く為の深淵を今我らに与えたまえ。そしてこの、哀れなる世界の従僕に僅かな救済をお恵み下さい。神と悪魔の子たる我の矮小なる願いを聞き入れ給え。」
……妙にセリフ臭い言い方の詠唱を聞いた後も、身体などに大きい変化は見られなかった。だがしかし、老人は満足したかのようにこちらを見た。
「はーはっ、はっはっは。やったわい。大成功じゃ。」
一体何が成功したというのか僕にはさっぱり理解することが出来なかった。だから僕は老人に何が起こったのかの説明を求めた。
「今すぐお主のスキルを確認するのじゃ。」
老人にそう言われ、ステータスを確認した。
ステータス
名前 ノール=アムガミスタ
職業 勇者 ペナルティ(盲目)
特性 不老不死
称号 死神(管理者権限)
武具 頭部 ボロス・ヘルム (真名解放)
上半身 ボロス・アーマー (真名解放)
下半身 ボロス・レギンス (真名解放)
脚 ボロス・ブーツ (真名解放)
右手 ボロス・ソード(真名解放)
左手 ボロス・シールド(真名解放)
アクセサリー ボロス・リング
レベル18 次のレベルまで970/18000
能力値
筋力︰235(+60)魔力︰178(+120)
体力︰184(+20)防御︰180(+240)
知力︰180(+10)魔防︰188(+140)
能力値ボーナス 残り0pt
スキル
剣術 100/100レベル 極級
言語理解 100/100レベル 極級
空間・魔力関知 100/100レベル 極級
剣神・剣豪闘気 100/100レベル 極級
剣神・神速斬撃 100/100レベル 極級
ユニークスキル
「デス・カウント」(2000/2000)
「死神の管理者権限」(未発動)
「神々の恩寵」(未発動)
デス・ポイント 3500pt
イベントリ
「名無しの片手剣」×1
「未開封の宝箱(ボス級)」×5
「ボロスダンジョン攻略の証」×1
「ボロスの血液」×6
「ボロスの爪」×10
「ボロス・リング」×3
「10万ゴールドの袋」×28
確かにスキルの欄に、神々の恩寵というスキルが加わっている。
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