第90話 捜索
「何処……?」僕は分からなかった。あの二人に会うための方法が。僕自身に何が起こっているのかも。ほんの小さなきっかけだったのかも知れない。けれど僕は、二人と離れ離れになってしまった。
この場所にいるのも、何か意味のある事なのかも知れない。そう思って今まで歩いてきた。これからもそれは変わらないだろう。けれどこんな事、あっても良いのだろうか。そうだ、大陸すら歩けばいいんだ。
「歩こう。」逆境、苦難、情緒不安定。それらを乗り越えれば、世界の果てまでも旅していけば、いつか会える。そう信じる。ああ、なんて楽しいんだ。仲間とはこんな関係の事を言うのだろうか。
「変だな、御前。」笑っている。確かに今、ルーカスは笑っているのだ。なにが可笑しかったのか、声を大にしている。僕も釣られて笑う。はは、面白い。噛みしめるように僕は、その言葉を放った。
「変さ。」その通り、僕は変わっている。それでもいい、そうだからこそ良い。そう思わせてくれる仲間がいて、本当に良かった。
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