第84話 若者


私の職場はみんな40代以上の男のみ。

今時珍しいが、だれも辞めない。

故に中途採用もない。

20年以上変わらぬメンバーで働いていることもあり、若い人との接点が20年以上ない。

それどころか、そのメンバーと家族、子どもの学校関係以外の人と話す機会もない。

つまり、何十年も自分に関わる人間関係が変わっていない。

冷静に考えると、交友関係の狭さに驚いてしまう。


私はコーヒーが大好き。

家でドリップして飲むのも好きだけど、

お店のも好きだ。


お店のコーヒーを飲みたくなったとき、

行くか行かないか、いつも考えてしまう。


だって、大体のコーヒーショップの店員は若者が多いから。


同性の女性店員さんでも、男性の店員さんでも、若い人というだけで無駄に緊張してしまう。


先日数カ月ぶりに勇気を出してコーヒーショップに行った。


やはり店員さんは若者だった。

小銭を払う手が震えてしまう自分に情けなくなった…。


こんな私のくせに、何十年と変わらない人間関係につまらなさを感じている。

波風たたず平和ではあるが、つまらない。

人見知りのくせに、新たな人間関係が追加されることをうっすり期待している。


とはいえ、お店の店員さんに緊張しているようではこの先新規開拓で新たな人間関係が広がることはないだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る