第5話 朝の散歩

 毎朝犬の散歩が日課だ。


 起きるまでは

 もっと寝ていたい…

 今日は面倒くさいなぁ…

 と思ったりするときもある。


日々前日の疲れを引きずるため、

朝活女子のように「スッキリ目覚めます!」

とはいかず…。


 そんなことを思いながら起きて犬をクレートから出す。


 準備をしてお散歩に出発。


 早朝はほとんど人がいないところが良い。

 コロナ禍であっても、マスクをする必要がない貴重な時間。

 念のためポケットにマスクを入れておく。


 朝の澄んだ空気をおもいっきり鼻いっぱいに吸い込む。


 あぁ、秋の匂いがする。

 朝の冷たい空気

 草や土の匂い

 朝特有の空気の匂いが大好きだ。

 清々しい気持ちにさせてくれる。

 眠気が一気にスッキリして

 心身共に溜め込んだストレスという塵が

 浄化されていく。


 何度も何度も大きく呼吸をする。

 臭覚が秋の朝の匂いで何度も満たされていく。


 これから始まる1日に備え、

 充電するかのように身体の中に新鮮な空気を入れる。


 コロナになってから、気がついたことがある。

 外に出るときは必ずマスクをつけることが習慣になったおかげで、マスクをとったときの、季節ごとの空気の匂いにより敏感になった。

 そして、有り難みが増した。


 自然の力は最強に人を癒す力を秘めている。と思っている。

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