第6話 モヤモヤ

 わたしをモヤモヤさせる言葉、

 それは相方から発せられる


「困ったね。」


 という言葉。


 相方は家族の誰かが

 体調不良のとき。

 怪我をしたとき。

 必ずこの言葉を使う。


 わたしはこの言葉が発せられるたび、

 毎回モヤモヤする。


 家族が体調不良や怪我をして辛そうにしてるとき、痛がっているとき、他の人はどんな風に声をかけるだろうか。


 わたしの場合、「大丈夫?」が一番最初にでる言葉だ。

 続けてどんな体調不良なのか、どこが痛いのかを聞く。


 だが相方は決まって「困ったね」と言う。

 どんな気持ちで言っているのかまったくわからない。

 相手を心配しているというより、

 手がかかって困る。

 というニュアンスで聞こえてしまうのは、

 わたしだけだろうか。


「困る」とは、病気や怪我のとき相手を心配するときに使う言葉ではないと思っている。


「困る」とは、相手を思いやって使うというよりは、自分の感情に対する言葉のような気がする。


 家族が体調を崩したり、怪我をすると、

 自分に何かしらの負担がかかるから困る。

 というように聞こえてしまう。


 せめて、何か別の言葉と組み合わせて言ってくれたら印象は違うのにな…

 と思う。

 例えば足が痛いと歩くのも辛くて困っちゃうよね…

 とか。


 どういうつもりで言っているのか知らないが、この「困ったね。」を聞くたびに、

 毎回わたしはモヤモヤして不快な気持ちになる。

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