第61話 バイパス道路

 子どもとお風呂に入り、歯磨きを終えて

さぁ寝よーとなったとき、突然子どもが

ドライブに行きたいと言い出した。


時計の針はまもなく9時。


明日も学校だし断ろうか、どうしようか。


わたしの性格的に、こうと決めたらできるだけその通りにやりたいタイプ。


いろんな意味で子どもを9時までに寝室に連れて行くようにしている。


睡眠時間の確保は大事だと思っているからだ。


まぁ、でもたまにはいっか。

子どものリクエストを叶えることにした。


寝てしまってもいいように、後部座席に子どもを乗せ、ブランケットをかけて出発!


子どもの大好きな歌を流しながら走りはじめた。


わたしはバイパス道路が好きだ。

ほぼ直線でスムーズに走る。

シンプルにただただまっすぐ走る。


信号待ちのとき、車のテールランプの赤い光の列が綺麗だ。


走りだして10分もしないうち、後部座席から話しかける子どもの声が静かになった。


信号待ちで振り返ると、もう夢の中だ。


うちの子あるあるだ。


車の中だとすぐ寝落ちする。

子ども七不思議。

ベッドだと、おやすみを言ってから30分はお喋りしてすぐには寝てくれない。


再び走り出す。


静かになった車内、音楽も消して走ることに集中する。

頭の中は運転のことだけ。

それと視界から入る景色だけ。


はじめは子どものリクエストに応えるためのドライブだったけど、家に着く頃には、わたしもなんだかスッキリした気分になっていた。


たまには予定外もいいもんだ。





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