第66話 今年もあの季節がやってきた
ふと気がつくと、朝の犬の散歩で金木犀の匂いがすることに気がついた。
朝の冷たく澄んだ空気に甘い金木犀の匂い。
懐かしいような、幸せな気持ちになる。
人の記憶で最も古い記憶を覚えているのは臭覚だそうだ。
確かに、私の実家の庭に金木犀の木があって、子どもの頃はオレンジ色の小さな花を手のひらに乗せて匂いをかいだり、空いたプリンカップにお水を入れて、花びらを入れて混ぜて遊んだりしていた。
私にとって身近で馴染みのあるお花。
金木犀の匂いをかぐと、小さいころのなんともいえない感情と共にそのころの風景も頭に浮かぶ。
夕暮れ時、習い事の帰り道の風景だったり、
母親の帰りを待っている時の寂しい、心細いときの気持ちだったり。
なんとも懐かしい気持ちにさせてくれる。
またこの季節がきたな。
と嬉しくなった。
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