第7話 捨てたいもの

 わたしは、ずっと捨てたいのに捨てられないものがある。


 それは、ずっと自分の中にある

「思い込み」という古い価値観。



 みんなと足並みを揃えるべき。

 周りと違うことは良くないこと。

 世間一般的であることは良いこと。

 親だからどんなときも親らしくあるべき。

 結婚したからには家庭のことをちゃんとできないと。



 あげだしたらキリがないほど、大小さまざまな思い込み。


 その思い込み、

何のために必要なんだろうか…



 その枠からはみ出さないようにしてたのは、どうしてだろう?


 と、ふと考えることが増えた。


 必死で普通の人でい続けようとすることは、何に対して、誰に対してのアピールなんだろう。


 家族に対して?

 親に対して?

 職場の人に対して?

 ママたちに対して?

 それとも自分か?

 社会に対して?


 全部当てはまるのかな。

だとしたら、自分が満たされるために、それ意味あったのかな?

なんて考えてしまう。


 普通の定義、どうやって自分の中にできたのだろう。


 学校の先生

 両親

 関わってきた大人たち

 メディアの情報

 友達

 自分を取り巻く人間関係から、自然と自己解釈して出来上がったものなのかもしれないな。


 普通の人であるように見られたいと思っているのは、

 本当の自分、

 素の自分を出してしまったら…

 周りから嫌われてしまうかもしれない。

 家族にも嫌われてしまうかもしれない。

 親が原因で子どもが影で悪く言われてしまうかもしれない。


 いろんな「…かもしれない。」という思い込み、恐怖心があるからのような気がする。


 そんな「…かもしれない。」を抱えて、

 たくさんの思い込みを背中に背負っているから、いつまで経っても人生が楽しくないのだろうか。


 起きるかどうかもわからない

「…かもしれない。」のために、たくさんの感情を押さえ込むことは自分にとって大事なことなんだろうか。

 なんとなく日々感じる心の圧迫感。

 この圧迫感から解放されてみたいな。


 もっと自分の感情に素直に

 正直に生きてみたい。

「思い込み」を捨てて、もっと自由に。


 と思いながら、

 今の自分はその勇気が、その一歩が

 なかなか踏み出せずにいる。

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