第62話 わたしの器

 わたしの器(心)は、人によって激しく変わる。


愛犬や自分の好きな方に対しては、大海原のように大きくなる。


愛犬がうっかり興奮して嬉ション(嬉しすぎてオシッコをお漏らし)しても、うっかりリビングで【大】を粗相してしまっても、なんの怒りもない。


それどころかスッキリしたね〜♪といった感じだ。


ところが、一度キライになった相手、それでも日常生活を送る上で切っても切れない相手の場合、一気にお猪口サイズの器に縮む。


1日のうち、たった一つ頼んだ小さな頼み事すらやってもらえなかったとき、怒りの感情が溢れ出す。


それをそのまま相手にぶつけたら大変なことになることは理解しているので、頭の中に大きな海の中の渦巻きをイメージする。


そして、器の小さいダメな自分と相手に対する怒りの感情は、渦巻の中でぐるんぐるんにして、最後はトイレを流す勢いで頭の中からジャーと流す。


それでもおさまらないときもある。


そんなときは自然の風に当たったり、

大好きなフィギュアを見たりしてやり過ごしている。


どんな相手にもフラットな感情で対応できる能力がほしい。

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