第22話 焼き芋
私は焼き芋が大好物だ。
昔は冬にしか食べられなかった。
冬になると駅の階段を降りたところに軽トラックの焼き芋屋さんがいて、仕事帰りに必ず一本買って帰る。
一度聞いたら忘れないあのメロディ。
いしや〜きいも〜
おいも。
おいも、おいも、おいもだよ〜♪
時々おじさんは小さい焼き芋をおまけでつけてくれた日もあったな。
なんだか急に昔の記憶がよみがえる。
焼き芋は、買ってすぐに食べてはもったいない。
熱々のうちに食べるのも美味しいけど、
冬の寒い日に、焼き芋を両手で持って温もりを肌で味わう。
行儀はよくないが、温もりを感じたあとは家路へと歩きながら焼き芋を食べる。
寒い夜空の下で食べる焼き芋、温かくて、甘くて、ほっこりする。
まるで小さい頃お母さんと手をつないで感じるぬくもりと、焼き芋の温もり、私の感覚だと似たようなほっこり感。
最近じゃ、通年いつでも手軽に食べられるようになった。
しかも身近なスーパーで買える手軽さ。
昔のように季節限定で食べられる物ではなくなったから、少々有り難みが減る気もするが、なんだかんだ、いつでも焼き芋が食べられるのは嬉しい限りだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます