第56話 ぷんぷんぷん

 夫は自己中。

かなりの自己中。


こっちが休憩しだすと、これ見よがしに動きだす。


わたしが朝から洗濯、掃除とバタバタしているときにはソファーで優雅にお眠りになっているくせに、わたしがひと息ついて椅子に座った途端、


「あー、ふー、はぁー、」

とウロウロしながらため息のオンパレード。


そして、わたしがひと息ついてから部屋干ししようと思っていた洗濯物を

ため息100%で、干し始めるというね。


どうせやってくれるなら、もう少し前向きな気持ちで干してほしいものだ。


干し方シワシワのままだし、干しても取り込むことは絶対しない方なので、やってくれなくていいのに。

とは口が裂けても言えない。


それは相手に失礼が過ぎることは承知しているからね。


夫あるあるでありません?

人が休憩し出すと、急に家事やら何やらやりだす方。


うちだけか!?(笑)


試しに、「ひと息ついたらやるから大丈夫」

と言ってみたら、驚愕の一言が返ってきた!


「俺が干したらダメなわけ?」


わたし「何度もため息つくほど疲れちゃうなら、そのままでいいから。」


夫「そんな急かすなよ」


と。


わたしの頭の中で音が鳴る。


(チーン)

仏壇にある鳴らすやつの音。


この人って。

この人って。


何十年か一緒にいるけど、しんど。

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