第3話 やることに追われる

 どうしてこうも毎日毎日やることが多いのだろう。


 わたしの段取りが悪いのか。

 怠け者なのか。

 しなくていいことまでやっているのか。

 考えている時間が多いわりに、動けていないのか。

 一人で抱えすぎなのか。

 きっとどれも当てはまるのだろう。


 朝起きた瞬間から、頭の中がフル回転を開始する。


 できるだけ効率よく、少しでも隙間時間ができるようにと思いながら、せっせと思考しながら手と体を動かす。


 なのに、まったくできない隙間時間。


 大人になるって、もっと自由だと思っていた。

 現実はその逆だ。

 縛られる事、物、人でぐるぐる巻きにされて…

 いや、待てよ?

 もしかしたら自らぐるぐる巻きにされにいっているのかな。

 いずれにしても大人になるって窮屈だ。


 電車に乗っている時間だけが、

 唯一の自由時間。

 自分だけのひとり時間。

 家族に話しかけられて、作業を中断することもない、完璧なひとり時間。

 やれることは限られるが、貴重な時間。

 この時間だけは、家族のことじゃなく、自分の事だけに集中できる大事な時間だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る