【四章】木の実を採ったら虫が食っていた
この世界には、五つの大陸が存在する。
東のクーナリア大陸、西のエルデール大陸、南のモアモッツァ大陸、北のガーネスト大陸、人々が住む四大陸に加え、中心に位置するのが魔の巣窟、ゴルゾア大陸だ。
生まれ育った故郷の村は、エルデール大陸の山奥に作られている。ジリュウと共に魔王討伐の旅に出て、ロザ王国で聖銀の鎧兜一式を手に入れ、ゴルゾナ大陸へと向かったのは、今となっては懐かしい思い出だ。
あれから何度、陽が昇り落ちただろうか。ジリュウの策に嵌り、裏切り者扱いされて、南の大陸へと渡った俺は、コルンと呼ばれる町に流れ着き、宿代を稼ぐ為に木の実を採りに出掛けている。
「木の実か、しまったな」
形を聞いてこなかった。
一旦、町に戻るか。ルノに木の実の形を教えてもらった方がいいだろう。
「……いや、もうすぐ夜になるからな」
このまま木の実採りを開始するべきか。
裏山は町と隣接し、周辺には魔物が出てこないと言っていた。それもこれも全てはコルンの町を拠点に活動する冒険者達が魔物狩りに精を出しているおかげだ。
その一方、【遊民】の紋章を持つと嘘を吐いた俺は、裏山の道無き道をジグザグに登り進んでいた。
裏山の奥へと入り、魔物を狩るのも悪くは無いが、他の冒険者達に見つかると厄介だ。見た目はこれでも遊民の俺が魔物を倒せば、あっという間に街中へと噂が広がるはずだ。
とはいえ、俺は新人冒険者だ。更に言えば、組合長と一触即発の事態になりかねない状況を作っていたからな。既に注目の的か。
組合長を務める老婆についてだが、あの時、ルノに詳しく話を聞いてみた。
コルンの町を統治下に置く国から左遷されたと専らの噂だ。華々しい国の職員が、遠路遥々辺境の地へと飛ばされたことを妬んでいるのか、苛々のシワ寄せが他の職員へと及んでいる。
特に、ルノへの口撃は凄まじく、何かにつけてケチを付けていた。因みに、これは途中から話に加わった【戦士】の紋章を持つ男の情報だ。
実際のところ、ルノは他の職員が完璧だと認めるほどの受付嬢っぷりで、コルンの町の癒し的な存在となっているらしい。男女問わずに人気があるというのだから、素晴らしいと言わざるを得ない。
だが、故に組合長の怒りを買うのだろう。
早く国に戻ればいいものを、コルンの町で目に見える結果を出さなければならないので、未だに燻り続けているようだ。退職して国に戻れば一件落着だな。
「おおぅ、おまいさんは確か新顔の!」
「あ、受付で話した……」
「おう、俺は【戦士】の紋章持ちのボードンってんだあ。おまいさんは?」
「【遊民】のアルガだ」
「あー、そうそう、アルガって言ってたなあ! 同じ町の冒険者同士だ、仲良くしてくれい」
「こちらこそ」
コッテコテの装備一式を身に付けた俺の姿は、遠目にもよく見えるのか。
四十代ぐらいだろうか。坊主の冒険者ボードンが、俺の傍に近づき、軽い感じで声を掛けてきた。
「しっかしなー、遊民にしては上等そうな装備を持ってんだなあ。こりゃおったまげたぞい」
「よく言われるよ」
軽くあしらう。世間話も程々に切り上げないと、夜になってしまう。
と言うか、木の実は何処にあるんだ。
「そいじゃ、俺は魔物狩りに行ってくるぞい。おまいさんも頑張るんだぞい」
「ああ、ボードンも」
名を呼ぶと、ボードンはニカッと白い歯を見せて笑う。
他にも連れがいたのか、遠くから足音が聞こえてくる。その方向にボードンは歩いて行った。
「……木の実、木の実っと」
とりあえず、少し上を見ながら歩いてみる。木の実と言うからには、木に生っているはずだ。
「ん?」
木々の葉が、揺ら揺らと風の音色を響かせている。
その風に揺らぐ木の枝の先に、何かがくっ付いているように見えた。
「んー?」
目を細める。恐らくは、あれが木の実なのだろう。
しかし問題は、どうやって採るのか。
「高いな」
木の実が生っているのは、手を伸ばしても全く届かない場所だ。木登りするか、剣で木を斬り倒すか。そうすれば、簡単に木の実を手にすることが出来るはずだ。但し、他の冒険者達に知られる可能性は非常に高い。ボードンと言葉を交わしている最中に気配を探ったが、チラホラと俺の様子を窺う奴らがいる。やはり、新顔が気になるのか。
「困ったな……」
木登りをしてみるか。助走をつけて数歩で登り切ることが出来るだろうが、果たしてそれが普通なのか否かも俺には判断が付かない。
頭を悩ませ、下を向く。……と、ここで気付いた。
「これって、木の実か?」
地面に何かが落ちていた。
その場にしゃがみ込み、手に取ってみる。
なるほど、どうやらこれは木から落ちたものらしい。ということはつまり、これを集めて冒険者組合に持ち運べば、報酬を受け取ることが出来るってことだ。
「案外、楽に稼げるかもしれないな」
木登りする必要はない。地面に落ちた木の実を拾い上げ、持ち帰るだけの簡単なお仕事だ。
これなら見つかっても気にならない。目立つ行動を取らずに済むぞ。
「そうと決まれば拾いまくるか」
見てみれば、木の実はそこらじゅうに落ちている。
これはアレか、木の実拾いで小金持ちになるのも時間の問題かもしれないな。
※
「あの、アルガ様……」
コルンの町に戻り、俺は冒険者組合に顔を出していた。収穫した木の実の数は、五十個を超えている。これだけの数だ、相当な額になるだろう。
だが、ルノの顔は浮かない。
「これって、落ちていたものですよね?」
「……えっ、何故分かるんだ」
「虫食いだらけです」
「げっ」
指摘されて、ようやく気がついた。
俺が拾い集めた木の実は、どれもこれも穴が開いているではないか。
「それと、ほとんど腐っています」
返す言葉も見当たらない。小金持ち作戦は失敗だ。
「申し訳ございませんが、こちらの木の実では収穫報酬をお支払いすることは……」
「分かった。出直してくる」
「あっ、あとですね、そのっ」
踵を返し、再び夜の裏山へと向かう。そんな俺を呼び止め、ルノが視線を彷徨わせる。
何だ、やはり少しは金になるのか。
「……これ、当冒険者組合では処分出来かねます」
「あ、……ああ」
そこそこの時間を費やし、拾い集めた虫食いだらけの木の実を受け取り、裏山へと戻る羽目になった。魔物狩りをせずに金を稼ぐのは楽じゃないな……。
「アルガ様ッ、あのっ」
「……まだあるのか?」
何を思ったのか、ルノが外に出てくる。冒険者組合の床に幾つか落としていたのだろうか。
「今日は、もう遅いですよ? 裏山に入るのは危険ですので、明日にしたら如何でしょうか?」
「そうしたいのは山々だが、手持ちが少ないからな。宿代を稼がないと野宿だ」
「でしたら!」
声を上げ、ルノが右手を自身の胸元へと当てた。
「今晩の宿泊代は無料にいたしますので、ご安心下さいっ」
「……え、いやいや、何故ルノがそんなことを言うんだ?」
「コルンの町の宿屋は、一軒しかありませんから」
「その話は聞いたから知ってるぞ」
「はいっ。その宿屋ですが、実はわたしの実家なのです」
驚いた。そういうカラクリがあったのか。
「……いや、しかしだな」
「木の実採りをお勧めしたのは、わたしです。アルガ様の稼ぎが無かったのは、わたしの責任でもありますので!」
極端な話だが、ルノなりに俺を心配してくれているのだろう。
何から何まで世話をしてくれて、本当に優しい子だ。
「いいのか?」
「勿論です! ……あ、でも、あと少しお待ち下さいっ。まだお仕事の最中ですので」
外に飛び出したことを思い出し、あわあわし始めた。組合長に見つかるのを恐れているのだろう。
「分かった。ルノの言葉に甘えさせてもらうよ」
「はいっ」
再度、俺はルノと共に冒険者組合の中へとお邪魔する。ルノは受付業務に戻り、俺はソファに腰を下ろした。ルノの仕事が終わるまで、ここで暫く仮眠を取ることにしよう。
「……ふあ」
眠い。今日は疲れた。
普段使わない箇所の筋肉を使ったからか、魔物を狩るよりも疲れが溜まったような気がする。慣れるまでは、木の実を採る方が難しく感じるかもしれないな。
※
「アルガ様、帰りましょう?」
「ッ」
気配を感じ、慌てて飛び起きる。すぐ傍にルノがいた。
「……仕事、終わったのか」
「ふふっ、とっくに終わりましたよ?」
周りを確認する。他の職員は先に帰ってしまったのか、冒険者組合には誰の姿もなかった。
「気持ちよさそうに眠っていらっしゃいました」
「す、すまない、全く気付かなかった」
俺としたことが油断していたようだ。
この町に気を許し過ぎたのか、隙だらけの状態で惰眠を貪ってしまった。
「大丈夫です。わたしも残業がありましたから、丁度よかったのです」
「残業があるのか」
「はい。いつものことですけど、組合長から命じられまして。えへへ……」
頬を緩め、優しげに笑う。
文句の一つも言わずに仕事をこなすルノは、受付嬢の鏡のような女性だ。
「……ルノは、何の紋章を持っているんだ」
「わたしですか? 【受付師】になります」
「【受付師】か、だから受付の仕事をしているのか」
「はいっ。わたしの天職ですからね」
神の紋章は、実に様々な形が存在している。紋章図鑑が世に出るぐらいだからな。
世は戦闘職が花形であり、憧れとされている。【剣士】の紋章を持つホルンや、【戦士】の紋章を持つボードンが当て嵌まるか。【癒術師】の紋章持ちのエーニャも、補助役として重宝されている。
生まれた時から勝手に刻み込まれた紋章に、その者の人生は決め付けられてしまう。人々は不平不満を口にするのが常だが、ルノは己が持つ紋章を受け入れているらしい。生まれてこの方、俺は一度も受け入れたことは無い。だからか、天職と言い切るルノの表情が眩しく映ってしまう。
「あの、どうかされましたか?」
俺の様子が気になったのか、ルノが小首を傾げ、問い掛けてきた。
「……何でもない。ルノの宿屋に案内してくれるか」
「はいっ」
元気よく返事をすると、ソファに座る俺に対し、ルノは手を差し出す。
今日、初めて出会った時のことを思い返し、俺はまた同じように手を掴み、ゆっくりと立ち上がる。
冒険者組合の外に出ると、ルノは扉を施錠した。
「場所はどの辺りだ」
「すぐそこです」
指を指す。その方角を見ると、少し古びた佇まいの家があった。玄関口には看板などが無いが、大きさから見て、宿屋というのは間違いないだろう。
仕事場とは目と鼻の先か。これは便利なものだ。
僅かに歩いただけで、ルノの宿屋に着いてしまった。
玄関の扉を開け、ルノが言う。
「どうぞ、入って下さい」
「お邪魔します」
思いの外、室内は広かった。
ロビーは吹き抜けになっていて、魔灯が次々と室内を照らし出す。
「これを開くのは久しぶりになりますね」
勝手知ったる我が家か。俺を追い抜き、ルノは木机の上に置かれた冊子を手に取り開いた。
それでは、とルノが小さく咳をする。
「お泊りですか?」
「……ああ、部屋は空いてるか」
「ふふ、勿論です」
形式上というやつか。ルノは「こちらにお座り下さい」と手招きし、宿泊帳への記帳を求める。
椅子に腰掛け、羽ペンを掴み、名を記す。
「アルガ様ですね? ようこそいらっしゃいました。……ふ、ふふっ」
「そんなにおかしいか?」
「いえ、両親がいた頃のことを思い出しまして、懐かしくなってしまいました」
台詞から察するところ、此処にはルノ一人で住んでいるのかもしれない。
「懐かしくて笑うのか」
「はい。楽しかったですからね」
心の底から嬉しそうに、俺の名が記帳された箇所に視線を落としている。長らく宿泊客がいなかったのだろう。冒険者組合では受付業務を任されているから、宿屋を切り盛りする余裕が無かったのか。
「部屋にご案内しますね、アルガ様」
「一番安い部屋で頼む」
「もうっ、宿泊代は心配しないでくださいって言いましたよね? ……うーん、ですから今日は一番高い部屋にしましょう!」
「えっ、それは申し訳ない気が……」
「ふふっ、安心してください。一番高いといっても、どの部屋もほとんど変わりませんから」
狭い部屋の方が落ち着くから、出来れば安い部屋がよかった。
まあ、ルノの心遣いに感謝しておくか。
「あっ、でも埃が溜まっているかも……」
「寝床があるだけで十分だ」
「そういうわけにはいきません! お客様をお持て成しするのが務めですので!」
部屋の様子を見て来ます、と二階への階段を早足で上っていく。
小さな背中を見送りつつ、椅子に座ったまま欠伸を一つ。抜けているようでしっかりしているルノのことだ。部屋は問題無いだろう。
耳に扉が開く音、そして閉じる音が届く。今度は足取りも軽く階段を降りてきた。
「大丈夫でした」
「それならよかった」
「はいっ、ではせっかくなので、二階に上がる前に一通りご案内いたしますね」
「よろしく頼む」
宿屋の内部をルノに案内される。
一階部分は、玄関口からロビーへと続き、記帳場の傍に扉が一つ。ルノの自室とのことだ。
逆側には、扉の無い広めの部屋があった。テーブルと椅子の数が多く、宿泊客を持て成す為の食堂部分になっているらしい。真横には調理場が併設されている。
階段横には奥へと続く廊下があり、宿泊客用の部屋の二つ並んでいた。扉にはそれぞれ一〇一と一〇二と記されていた。
二階部分へと上がると、一直線の長い廊下が出迎えてくれる。廊下を挟んで幾つもの窓があり、外の景色を見ると裏山が見えた。コルンの町でも入口側に建てられているが、それでも背を任せているということは、それなりに大きな裏山なのだろう。一階にも窓はあったが、やはり高い位置からの眺めはいいものだ。廊下の逆側には外へと出られる扉がある。洗濯物を干すには丁度いい場所だ。
廊下を進むと、一階と同じく宿泊客用の部屋が二つ。扉の間隔が広くなっており、二階の部屋の方が高いことを物語っている。
「一番奥の角部屋にしてみました。気に入っていただけると嬉しいのですが……」
廊下を歩き、二〇二と記された扉の前で止まる。
鍵を開け、ルノが扉を開いた。
「……おお、確かにこれは広いな」
一歩、室内へと足を踏み入れる。特別豪華というわけではないが、ルノらしさが出ていると言うべきか。室内は綺麗に整っていた。
ベッドに手を置き、押してみる。……冒険者組合のソファよりもフカフカだ。
木机や椅子に本棚まで用意されてあった。
「手洗場と洗面所、あと浴室もご覧になって下さい」
驚きに心を躍らせているところに、声を掛けられる。
ルノが室内の扉を開き、笑みを浮かべていた。
「埃なんて、何処にも無いじゃないか」
「えへへ、そう言っていただけると嬉しいです」
まずは洗面所が顔を覗かせ、更に二つの扉があった。一方が手洗場で、もう一方が浴室になっていた。こんな良い部屋に無料で泊めてもらえるとは思わなかったぞ。
「……因みに、普通に泊まるとしたら幾らぐらいする部屋なんだ」
「この部屋ですか?」
ああそうだと頷く。ロザ王国の城下町でこの広さの部屋に宿泊する場合、最低でもエルデール銀貨三枚は支払うことになるだろう。
「うーん。季節によって多少の変動はありますが、ワルドナ銅貨五枚前後に設定しております」
「ワルドナ銅貨?」
「はい。大陸貨幣ではなく、地方貨幣になりますね。コルンの町はワルドナ国の統治下ですので」
「ああ、なるほどな」
各大陸には、大陸の名を冠した貨幣が存在する。金貨、銀貨、銅貨、半銅貨の四種類だ。
それに加え、大陸内に存在する国ごとに作った貨幣のことを、地方貨幣と呼んでいる。エルデール大陸で言えば、ロザ貨幣が有名か。
しかしワルドナ銅貨の価値が分からないな。エルデール銅貨一枚だと、飯を腹一杯食べることができるが、残念ながら別大陸の貨幣事情には疎い。
「ルノ、ワルドナ銅貨一枚の価値を教えてくれないか」
「価値ですか? えっと、そうですね……」
うんうんと頭を悩ませた後、ルノは少し頷く。
「リンゴが二十個以上は買えますよ。モアモッツァ銅貨で換算しますと、二分の一ほどになります」
エルデール半銅貨四枚から五枚分ってところか。城下町の宿屋と比べると一目瞭然の安さだ。
「そんなに安くしていいのか」
「宿泊される方が少ないですので、せめて安くして持て成したいですからね」
経営者として良い判断だ。ここよりも狭い別の部屋だと果たして幾らになるのか気になるな。
これでこの町がもっと栄えた場所にあるならば、連日満室となるだろう。実に勿体無いことだ。
「何か必要な物はございますか?」
「いや、これだけ揃っていれば問題無い。助かったよ」
手や顔拭きの類も充実している。不都合など微塵も感じさせない持て成しだ。
「今日は、ルノに出会えて本当に運が良かった。ありがとう」
「いえいえっ、わたしは当然のことをしただけですので!」
両手を顔の前で振り、恥ずかしそうに視線を逸らす。
「ではあのっ、ゆっくりお休み下さいませ」
冒険者組合の受付で見た時と同じように、綺麗なお辞儀をしてみせる。
そして、扉が閉められた。
「……ふう」
ベッドに腰を下ろし、そのまま背を任せて仰向けに寝転がる。
「今日は色んなことがあった……」
手持ちの金が無くなりかけたところに、渡りに船だ。一部の問題事にさえ目を瞑れば、居心地のいい町だ。暫くは木の実採りで小金を稼ぎ、蓄えを増やそう。例え邪魔が入ったとしても、できることなら町を離れたくはない。ルノとの出会いは幸運そのものだからな。
「あ、」
と、生きる上で最も大切なことを今の今まですっかり忘れてしまっていた。
「腹減ったな……」
お腹を押さえる。腹の音が鳴り、そう言えば今日はまだ何も食べていないことを思い出す。ルノと別れたばかりで商店街に行くのも気が引けるが、一度意識すると我慢が……。
「くっ、窓から出るか……」
いやいや、馬鹿か。世迷言を言っている場合か。誰かに見られたら、空腹で頭がおかしくなったかと思われるぞ。明日の朝一番にルノの顔を見て「おはよう」と挨拶をして、早朝から空いている食堂を教えてもらうことにしよう。ああ、それがいい。
「フカフカだ……」
今はとにかく、グッスリと休もう。そして明日の木の実採りに備えるのだ。
どうか明日は無事に木の実を採ることが出来ますように……。
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