概要
にせ写楽になって四十八手の枕絵を描く破目になった幸吉の末路とは
「しかし、なんだなあ、老いらくの恋は身の破滅だな・・・」
政五郎が妙なことを口にした。
「赤城の万次郎が、若い妾を溺愛して、四十八手本の女役にしたり、いっしょに歌舞伎見物に出かけたりしたので、悪事が露見した」
政五郎は、まるでじぶんが犯した失敗のように嘆いてみせた。
「でも、誰が東洲斎先生に救けを求めたのかしら?」
お新が横から口を挟んだ。
「えっ、お新ちゃんじゃなかったの?」
驚いた浮多郎は、傍らの幼馴染の恋女房を見やった。
「わたしじゃない。浮さんも奉行所も信じていたので・・・」
【「にせ写楽枕絵奇譚(大団円)」から】
「ひとを殺そうとしておいて、半分やるから勘弁してくれだって。・・・いやだね。こうなったら、お前さんの命ごと全部いただくぜ」
酔いが醒めたのか、それまでのからかうような口
政五郎が妙なことを口にした。
「赤城の万次郎が、若い妾を溺愛して、四十八手本の女役にしたり、いっしょに歌舞伎見物に出かけたりしたので、悪事が露見した」
政五郎は、まるでじぶんが犯した失敗のように嘆いてみせた。
「でも、誰が東洲斎先生に救けを求めたのかしら?」
お新が横から口を挟んだ。
「えっ、お新ちゃんじゃなかったの?」
驚いた浮多郎は、傍らの幼馴染の恋女房を見やった。
「わたしじゃない。浮さんも奉行所も信じていたので・・・」
【「にせ写楽枕絵奇譚(大団円)」から】
「ひとを殺そうとしておいて、半分やるから勘弁してくれだって。・・・いやだね。こうなったら、お前さんの命ごと全部いただくぜ」
酔いが醒めたのか、それまでのからかうような口