他サイトにて連載されていた「予言の経済学」からの大ファンです。
のらふくろう先生の描く、押し出しの弱い主人公と老獪な強敵はいつも大好きなキャラクターばかりなのですが、今回はそれが毛利輝元と明智光秀!
本当に満を持して、という感があって夢中になって読み進めてしまいました。
そして過去作含め、広い分野の学問を絡めた現代知識チート(ガチ(でも、現地人はもっとチート))も先生の作品の魅力です。
本作の舞台は息つく暇もなく謀略と戦場が動き続ける戦国末期。現代知識にあぐらをかいていては数ヶ月でバッドエンドを迎えそうな中で奮闘する主人公の姿からは、まさしく「現代知識で戦っているぞ!」という力強さを感じます。
政治体系や武士たちの縁戚関係まで、要所ごとに解説が行き届いているため、戦記物や歴史小説に親しみのない自分でも楽しく読み進められました。
このレビューからご覧になられた、歴史小説初心者の方は、ぜひ騙されたと思って読まれてみてください!あと、自分と同じ山口県民も読みましょう!毛利のお殿様なので!
どんな先端技術であったとしても独占することは困難である。世に出れば模倣され陳腐なものとなるのは時間の問題である。序盤は勝つことができても勝ち続けることはできない。未来を変えることはできても勝利を確定させることはできまい。出来るとしたら平和な世界を残すことであろうか。戦争がなければ敗北はない。しかし、歴史を知り尽くした主人公は戦争がなくならないことを知っているはずではないか。はて、どうなるのか。
土岐家、徳川家は滅ぼすのか、村上水軍の処遇をどうするのか、キリスト教の扱いは、唐入りはしそうにないが、欧州列強との戦いはあるのか、大東亜共栄圏は成立するのか、等々興味深いです。
最大の興味は、将軍tになるのか、関白になるのか、朝廷を廃するのか、どういった社会制度を目指すのかというところです。