概要
その瞬間、運命の歯車がゆっくりと動き出す――!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!記憶を纏う少年
この世界に生きる人々は生来何かを欠損して生まれ落ち、それを補填するかのように倶に纏う存在・・・倶纏と呼ばれる固有の事象を抱えて生きる。
十代半ばの少年、詞御。
年若い、子供と言って差し支えのない少年は、裏稼業『浄化屋』として手にした倭刀を振り翳し上位の凶悪犯罪者までも検挙した経歴を持つ紛う事なき強者である、が。
少年が一人生きていくのに得た浄化屋のライセンスは、本人の意図やその行いには関係なく失われてしまう。
ライセンス所持には高等学校卒業と同格の資格を得ねばならなくなってしまったのだ。
武力を有するが、その代償のように己から欠損していた部分。
一人生きるにはソレを頼りにするしか無く、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!設定◎ キャラ◎ ストーリーは終盤で大きく広がります!!
倶纏という、自らの分身的な存在・セフィアとともに、犯罪者を捕まえる『浄化屋』稼業にいそしんでいた少年・詞御。
しかし政府の法改正により、高卒の資格を持たなければ稼業を続けることができなくなってしまった。
詞御は仕方なく国立倶纏『東』養成機関高等部の編入試験を受ける。試験のメインは倶纏を用いた試合。
そこで勝利を収めた詞御は、機関の長である女王からある二つの条件を持ち掛けられ、それを受けてくれればすぐに高卒の資格を与えると言われる。
その条件の一つが、女王の娘でもあり序列一位の依夜と組み、〝闘いの儀(レクシオン)〟に勝利すること。そしてもう一つは――
倶纏というのは、ジョジョでいうスタンド的…続きを読む - ★★★ Excellent!!!独自の世界や設定で綴られる、『真の強さ』を持った少年の物語
悪人を取り締まる『浄化屋』として生きてきた少年『高天詞御』。しかし浄化屋のライセンスが失効してしまい、高卒の資格を得てライセンスを取り戻すため、『倶纏』能力者の若者達が集う養成機関の門を叩く――。
まず『倶纏』という本作オリジナルの異能力や、世界や国家や浄化屋の設定などなど、どれも非常に個性的で興味を惹かれるのが、魅力だと思える作品でした。
それでいて「造語ばかりでよく分からなくて読みにくい……」といったこともなく、リズムの良い文章や丁寧な説明によって、頭の中にスッと入ってくる部分はお見事でした。
更に、堅実な作風でありつつも、詞御の内に宿る倶纏の少女『セフィア』や、養成機関の序列一位にし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!世論とは無責任なもの。しかし彼は、己の力で立ち向かう。
【物語は】
ごく一部の人間しか入ることの許されない場所で、王の後悔と決意から始まる。
本編に入るとガラリと雰囲気が変わり、ある戦闘風景へと移る。この部分では、主人公の仕事でもある”浄化屋”について語られ、国のシステムなどについて分かる。
ここで気になること。それは、この浄化屋のシステムについてである。危険な仕事ではあるが、犯罪を取り締まるためにはそれなりの人手を必要とし、生活を支えるためには、低年齢でも働かなくてはならなかったという事。
そして彼らのお陰で平和になったというのに、その事を忘、れ表面ばかりを見て世論が動いたという事である。世論とは、何処であっても表面でしか見ないものだと常々感じ…続きを読む