この世界に生きる人々は生来何かを欠損して生まれ落ち、それを補填するかのように倶に纏う存在・・・倶纏と呼ばれる固有の事象を抱えて生きる。
十代半ばの少年、詞御。
年若い、子供と言って差し支えのない少年は、裏稼業『浄化屋』として手にした倭刀を振り翳し上位の凶悪犯罪者までも検挙した経歴を持つ紛う事なき強者である、が。
少年が一人生きていくのに得た浄化屋のライセンスは、本人の意図やその行いには関係なく失われてしまう。
ライセンス所持には高等学校卒業と同格の資格を得ねばならなくなってしまったのだ。
武力を有するが、その代償のように己から欠損していた部分。
一人生きるにはソレを頼りにするしか無く、普通ならば意識することすら少ないソレを持たない少年にとって生死に関わる事態は突如として始まり、興味の無い高校生活が突如として始まった。
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フォローありがとうございました(o゚▽゚)
一章読了。地の文と会話のバランスが良く、設定も十分に活かされていると思います。
個人的には第二位の彼がどう散るのか?そこが楽しみでならないですが・・・w
他の作品とかもあったら是非読みたいです。
倶纏という、自らの分身的な存在・セフィアとともに、犯罪者を捕まえる『浄化屋』稼業にいそしんでいた少年・詞御。
しかし政府の法改正により、高卒の資格を持たなければ稼業を続けることができなくなってしまった。
詞御は仕方なく国立倶纏『東』養成機関高等部の編入試験を受ける。試験のメインは倶纏を用いた試合。
そこで勝利を収めた詞御は、機関の長である女王からある二つの条件を持ち掛けられ、それを受けてくれればすぐに高卒の資格を与えると言われる。
その条件の一つが、女王の娘でもあり序列一位の依夜と組み、〝闘いの儀(レクシオン)〟に勝利すること。そしてもう一つは――
倶纏というのは、ジョジョでいうスタンド的な存在。これを用いて戦うので、各キャラの倶纏はそれなりに強い姿をしています。
でも、ヒーロー・詞御の倶纏は、普段はかわいらしい少女であり、悩殺美女の姿にもなれるセフィアちゃん。
詞御もごく普通の少年なのですが、セフィアちゃんと組んでのバトルではもう、はじめからものすごく強い!
倶纏とともに戦うバトルシーンはとても力が入っているように思え、文字ですが映像が浮かぶようでした。
最初が編入試験のシーンで、次の戦いは序列二位のゼナを倒して依夜のパートナーの座を勝ち取ること。
パートナーとなった詞御と依夜は、『西』養成機関のペアとバトルをすることになります。
ここまでは学園ものの域を出ませんが、最後に驚くべき真相が隠されていました。
編入試験を受けた詞御は、女王様から条件を二つ出されていますが、その一つがずーっと隠されていて、終盤でようやく明かされます。
まさか、神との戦いが用意されていたとは!
光の柱や大陸の位置など、世界設計は序盤に示されているのですが、その裏に大きな仕組みが隠されていて驚きました!!
詞御のけた外れの強さは、このために用意されていたのですね!
ストーリーがよく練られていると思います。
キャラクターに関してですが、まず主人公・詞御の鈍感ぶりに笑いました。強いのに!!
倶纏のキャラも、それぞれいいですね。私は依夜の倶纏であるルアーハが好きです!!
個人的な好きキャラ第一位は、なんと言ってもゼナです。
こういう、気障ったらしで自分に自信があるタイプなのに、コテンパンにやられるキャラ、好きです。負け犬ムーブが最高でした。
熱いバトルのあと、大団円のシーンは本当に感動しました。
読ませていただきありがとうございます。
悪人を取り締まる『浄化屋』として生きてきた少年『高天詞御』。しかし浄化屋のライセンスが失効してしまい、高卒の資格を得てライセンスを取り戻すため、『倶纏』能力者の若者達が集う養成機関の門を叩く――。
まず『倶纏』という本作オリジナルの異能力や、世界や国家や浄化屋の設定などなど、どれも非常に個性的で興味を惹かれるのが、魅力だと思える作品でした。
それでいて「造語ばかりでよく分からなくて読みにくい……」といったこともなく、リズムの良い文章や丁寧な説明によって、頭の中にスッと入ってくる部分はお見事でした。
更に、堅実な作風でありつつも、詞御の内に宿る倶纏の少女『セフィア』や、養成機関の序列一位にして皇女『依夜』、詞御の過去と繋がりのある『フィアナ』など、華やかなヒロイン達が登場し、作品に彩りを与えてくれています。彼女達とのやり取りを眺めるだけも満足できそうなほど、恋愛やラブコメ要素も優れていました。
ですが作中の大半を占め、一番のアピールポイントであるのは、その高い文章力から綴られる戦闘シーンでしょう。様々な形状や能力、階級を持つ倶纏を用いた戦闘は、どれも臨場感や迫力や疾走感に溢れていました。『主人公最強』や『チート無双』と言うと【軽さ】を感じてしまいますが、本作においては重厚な意味合いを持ちます。
そして単なる資格目当ての学園モノで終わらず、終盤にはその『強さ』を用いて大いなる運命に立ち向かい……と、単調さがなく実に飽きさせない構成でした。
ただ、上記の魅力的な設定や世界観を100%活かしきれているとは言えず、作品の構成においても、もっと他の方向性にすれば面白く展開できたんじゃないかな……と感じてしまう部分もありました。そこだけは勿体なかったです。
とはいえ逆を言えば、『まだまだ面白く展開できる余地を残している内容』とも呼べます。続編でも、全く別シリーズの新規作品でも、作者さんの次回作に期待が持てます。
それほどまでに高い文章力やオリジナリティ溢れる発想力、成長性を感じられる作品でした。面白かったです!
【物語は】
ごく一部の人間しか入ることの許されない場所で、王の後悔と決意から始まる。
本編に入るとガラリと雰囲気が変わり、ある戦闘風景へと移る。この部分では、主人公の仕事でもある”浄化屋”について語られ、国のシステムなどについて分かる。
ここで気になること。それは、この浄化屋のシステムについてである。危険な仕事ではあるが、犯罪を取り締まるためにはそれなりの人手を必要とし、生活を支えるためには、低年齢でも働かなくてはならなかったという事。
そして彼らのお陰で平和になったというのに、その事を忘、れ表面ばかりを見て世論が動いたという事である。世論とは、何処であっても表面でしか見ないものだと常々感じている。この物語の世界観にはリアリティが持たされていると感じた。
【物語の魅力】
しっかりとした土台の上に、リアリティが持たされており、いろいろと考えさせられることが多い。世論の無責任な発言が通り、法が変わる。
では、それまで”浄化屋”で生活を支えていた者たちは、どうやって生きていけばいいというのだろうか。犯罪者に殺害されずとも、生活が立ち行かなければ餓死する。それは結果として、同じ末路を辿るのではないだろうか。その時無責任な世論というのは、彼らに対しどう責任を取るというのだろうか。
この物語の中では、そう言った世論の動きにより法が変わり、資格を凍結された者が主人公である。客観的に考えても、職を奪われれば生活に支障をきたすことくらいは分かるはず。彼は国であり、世論の犠牲者と言っても過言ではないと思う。
【登場人物の魅力】
資格を凍結された主人公は解除の為、高校を卒業しなければならない。しかしながら入学しなければ、卒業も出来ないということ。そんな事情からも彼は、編入試験に挑むことになる。
この試験では、主人公と倶纏である相棒の性格が見えてくる。主人公は、一見頑固に思えるがそうではない。手を残して置きたいと考えるタイプに思える。先のことを見越して、自分に不利になる要素を増やしたくはない。冷静で、思慮深いのではないかと感じた。
産まれた時から共にいるのだから、この世界では当たり前のことかも知れないが、主人公と倶纏である相棒の間には、二人の強い絆と信頼関係で結ばれていることを感じる。
この戦いではもう一人ある人物が出てくる。この人物はこの後、二人に深く関係していくのではないかと思われる。
【この物語の見どころ】
この物語は、世界観がしっかりしており、それに対してリアリティを持たせている。その世界観に対しての説明も丁寧であり、納得がいく。
その上で主人公が苦労しており、ある案を持ちかけられるのだ。その案に乗るか乗らないのかは、まだ分からない。
だが彼は、ちゃんと先まで考えて自分がどうするか決めるに違いない。
続いて戦闘シーンも見どころの一つ。
この物語の戦闘シーンの良さというのは、行動描写が丁寧で分かりやすいだけではない。心理描写が丁寧でもあるのだが、戦略を考えた頭脳戦であることが特徴。思わず集中して読んでしまうほどに面白く、深い。
そしてこの戦闘はどちらか一方が強いという偏った描かれ方でもない。緊迫感と臨場感のある接戦なのだ。もちろん押される場面もある。だがギリギリの戦いだからこそ、手に汗握る臨場感が味わえる。
拝読させていただいた部分は、物語としてはまだ序盤。いよいよこれから彼の本当の戦いが始まる。そして真の目的とは一体?
果たして、どんなラストが主人公を待ち受けているのだろうか⁈
あなたも是非お手に取られてみませんか?
おススメです。