第9話 オークの集落
俺は、オークラと一緒にギルドに戻った。報告はオークラがしてくれるから、俺はさっき狩ったオーク10匹分の素材納品をする事にした。
肉は一頭分は家で食べるように持って帰る事にして、残り9頭分を納品した。オーク素材では肉以外は、魔核と呼ばれる結晶の様な物が売れる。結構いい値段になるので納品したほうが良いな。
自分で魔導具を作れるように成ると、納品せずに使う人も多いそうだ。
オーク10頭の討伐を確認してもらって、9頭分の肉の納品と合わせて、5万Gになった。日当50万円って冒険者メチャクチャ儲かるじゃん。
あーでも普通だとPTで狩ったりするから、これをみんなで分けるのか、それだと危険がある割には美味しくないのかな?
ミチルちゃんが、「コウキさんは、ずっと私が担当させて貰いますから何でも言ってくださいね」とすごい笑顔だった。きっと担当者する冒険者の稼ぎに寄って、歩合とか発生したりするのかな?
◇◆◇◆
家に戻ってみんな揃って、晩ご飯を食べ明日はどうしようか考えていると、ハンクが書斎に来た。
「主、少し耳に入れて置きたいことがあります」
「どんなことだ?」
「今日街中で、情報収集をしていたら、どうも主を探しているような感じの、少女たちを見かけました。何か心当たりは、ありますか?」
「げ、きっと俺を召喚した少女達かも知れないな、面倒臭いから出会わないように気をつけよう」
「直接話して無いので、はっきりとは解りませんが、少女たちはかなりの実力者だと感じました。もしかしたらですが、この王国の中央ギルドに所属する帝クラスかも知れません」
「ギルドは所属する街で、命令系統とか違うのか?」
「そうですね、一応各街のギルドが独立採算の形ですが、大規模な討伐などでは、中央のギルドの指示の元で、レイドPTが組まれたりします」
「丁度オークの集落の討伐があるから、副マスターが応援を頼んで討伐するみたいな事言ってたし、出会う可能性もあるなぁさっさと俺だけで集落潰してしまうか」
「面白そうですね、明日ですか?私もお供させて頂きます」
「いいけどハンクはどれくらいの実力なんだい?」
「メインは斥候職ですが、俺のJOBはシーカーですから、偵察や暗殺術はそれなりに使えます。LVは50です」
「強いんだな、それなら大丈夫だろよろしくな」
アランとカイルとユーリを呼び明日オークの集落を討伐しようと思うと伝え、5人で向かう事にした。
その後でフローラに鍛冶の進み具合はどうだ?と確認してみたら、まだ試作品ですがと言って、剣と盾を1つずつ、ダガーナイフを3本出してきた。取り敢えずはこれで明日の討伐には困らないな。
◇◆◇◆
そして翌日、自宅の庭から転移でオーク集落の側まで飛んだ。ナビに確認すると、身体に触れさせておけば、一緒に転移出来ると言うことだったので、5人同時に転移できた。
集落には、ぱっと見でも100体以上のオークが見える。外には上位種の姿は無い。恐らく上位種が居るとしたら、洞窟の中だな。
ユーリに「範囲魔法は使えるか?」と確認すると「大丈夫ですが、あの数を殲滅するには私の魔法では威力が全然足りません」と言ってきた。
「心配するな、魔法攻撃のイメージを見せて貰えれば、俺が片付ける」と伝え、早速やってもらった。
ユーリが詠唱を始めた、『炎と風の精霊よ我に力を貸し与え給え、ファイヤートルネード』
その直後に炎の竜巻が起こった広場全体を巻き込むような形で蹂躙して消えていったが、確かに本人が言うように威力不足のようだ。それでもかなりの数の敵が火傷を負っており、初撃としては十分だろう。
魔法のイメージは大体伝わった。ここでナビの声が響いた。『属性魔法を取得しました』『魔力操作を取得しました』『無詠唱発動を取得しました』続けざまに聞こえた。俺は自分のイメージを乗せて魔法を発動した。
『ナパームボム』
俺の世界にあった高火力の爆弾をイメージした。
見事に広場全体を焼き尽くした。あー肉が勿体なかったな。後で魔核だけは回収しよう。
アラン達が呆れてる。「これじゃぁ俺達がやること何もないな」
「心配するな、これから洞窟に突入する、捕まってる人が居るかも知れないから、もう魔法は使えない、みんなよろしく頼むぞ」
ハンクを先頭にアラン、カイル、俺、ユーリの順に洞窟に入っていった。
内部は以外に広い、外の異変に気づいたオーク達がどんどん出現してくる。意外と組織的に動いている。10頭に一頭程度の、リーダーが指揮をしているようだ。雑魚オークはアラン達に任せ、俺は剣を抜きリーダーだけを狙って、立ち回った。何も遠慮をする理由もないから問答無用で、首を跳ねて回った。
アランやカイル達も中々強いが、殺害の一点を取れば、ハンクが頭一つ抜けている感じだな。確実に敵の急所を突き刺し、無駄な動きがない。アランやカイルは戦いを楽しんでいる。試合であればハンクよりアランが強いであろうが、殺し合いならハンクのほうが強いかな。
雑魚オーク達の死体で足の踏み場も無くなってきたから、片っ端からアイテムボックスに放り込んでいった。
更に奥に進むと、女性が囚われていた。人族だけでも20名程は居るだろうか。みんな素っ裸で犯されてる。
目は虚ろだし感情は無くなってるんだろうな、他にも様々な獣やモンスターの雌だと思われる個体も同じ様に犯されている。これは吐き気しか沸かないな。
現代日本で育った俺には、考えられない現実だが、この世界に居る以上は、避けて通れない事実だ。
ユーリが言う「殺してあげたほうが、本人たちの為かも知れないわ、オークに犯された以上は妊娠はほぼ100%で、平均5体程度のオークが宿り母親のお腹を突き破って出てくるわ、その後で母体を食べて成長するの、それがオークというモンスターの習性なのよ」
そして雌達に群がっている中に他より明らかに大きな個体が2頭居た、ジェネラルが居たとカイルが言った。
俺が1頭やるから、3人で一頭頼むな、無理はするなよ。
今までの通常種やリーダーよりは、力もあるし素早いが、LV777の俺から見れば、遅いしひ弱だ頭から縦に真っ二つに、切り捨てた。
アラン達も3人で上手く連携して怪我をすることもなく、ジェネラルを倒した。
さてどうするべきか、人族の女性だけで30人はいる。服も着てない状況だし、10名は既にオークを身ごもっている。ユーリに助ける手段は無いのか確認をするが、「助けても記憶がある限り、生きている事自体が、地獄に成るわ、殺して上げる方が、情のある行動だと思う」と言う返答だ。
確かに解るが、日本人の俺には出来ない選択だ。隷属術式により奴隷になってる俺以外の4人も、明確に自分又は主人に殺意を向けられた場合以外の、殺人行為が出来ない。
ナビに確認する「ここに連れて来られてからの、記憶を消す手段は無いか?」
『時空魔法を取得致しました』「これにより治癒と同時発動で身体を巻き戻し出来ます。身体と記憶をここに連れて来られる以前の状態まで、戻せます」
よし、それなら早速発動しよう。と思ったら、ユーリが止めてきた。「ここで、この素っ裸の女性達の記憶と身体を巻き戻すと、コウキ様やアラン達はただの変態扱いされますよ?」
確かに、それはとてもまずいかも、「どうすればいい?」
「屋敷に取り敢えず記憶を戻さないまま、連れていきます、私達はみんな奴隷だったので、実際私達が酷い欠損があったように、どういう状況でもそんなに、狼狽えることはない筈です。カオルやジョアンナ達に女性達の服を用意させた後で、ご主人様の魔法を発動させましょう」
「解った、じゃぁ第一陣でユーリと女性達をできるだけ沢山移動させる」
それから、30人の女性を転移5往復で屋敷に運んだ。俺達男性陣は、オークの魔核採集などで2時間後に帰ると伝えて、カオル達に囚われていた女性を任せた。
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