第22話 ツバサの能力
俺達は、飛竜の襲撃を退け山を超え、王都へ向けての旅を続ける。今回の飛竜の襲撃を受けて、俺にテイムされることを選んだ、ワイバーンのツバサが「ピー、ピー」と可愛らしい声を出して乗っている。
只のペットになった訳じゃないよな?俺も竜騎士として空を飛べるってことなのかな?ナビに確認してみるか。
『ナビ、テイムしたモンスターは意思疎通は可能なのか?』
『コウキ様との意思疎通に関しては、念話で可能でございますが、人間ではありませんので会話が成立する訳では御座いません。コウキ様が基本的な命令を伝える事や、ツバサが生活欲求を伝える程度の意思疎通でございますが、無理な命令を続けない限りは、好意を示してくれますので、その個体に応じた能力で協力してくれます。詳細は鑑定で確認できます』
『ナビ?今念話と言ったけど人との念話は出来ないのか?この世界には電話とか無いし、念話が出来ればかなり便利になりそうだが』
すると脳裏に声が響き「念話スキルを習得致しました」
ぉ夢想スキルマジ便利だな、これはどう使うんだろ?
『コウキ様が思い描く人に対して、コウキ様の意思を伝えることは出来ますが、一方通行になります。相手にも同じ能力が芽生えるか、対応する魔導具の開発が必須でございます』
一方通行か、魔導具を作れるようになれば問題は解決するし、それまではしょうが無いか。
話が脱線したな、ツバサの能力を確認するか【鑑定】
ワイバーン(ツバサ) LV50 テイム状態
HP 5000
MP 5000
攻撃力 70
防御力 30
敏捷性 70
魔力 30
魔法防御 20
運 20
スキル エアブレスLV3 サイズ調整LV2
サイズ調整が気になるな、『ツバサ、最大サイズに成ってもらえるか?』心で念じるように語りかけると、「クエッ」と一鳴きして俺の肩から飛び上がり上空20Mほどの場所で一気に、身体が大きくなった。両翼を拡げた状態で5M程の大きさだ。通常のワイバーンで4M程の大きさだから、少し大きい程度かな?きっとサイズ調整にLVが存在しているし、このLVが育てばもっと大きくなるだろう。
その状況を見てた、商隊一行が驚いて俺に聞いてきた。
「それは、一体どう言うことなのですか?こんな現象を聞いたことなど無いのですが?」
あれ?なんかテイムって一般的じゃないのか?
「俺もよく解ってないけど、テイムはこんなもんなんじゃないのか?」
商隊の人やアランが大きく首を振る。
「モンスターのサイズが変わるなんて始めて見ましたし、聞いた事もないですよ?通常の竜騎士隊のワイバーンも、常に大きなままですし、
あらら、随分テイムスキルは非常識な感じだったみたいだ。これはどっちか言うと俺がこの世界の常識を理解してないからこそ、こういう感じのファンタジーなテイムスキルが生まれたのかも知れないな?
だが、ツバサが他の人を傷つけたりしない様に、しっかりと言う事を聞かせないといけないな。
『ツバサ、人を傷つけたりしたら駄目だぞ、今は取り敢えず元の大きさに戻って、俺の肩に乗っておけ』
そう伝えると、小さく「クエッ」と鳴いて、インコサイズに戻った、クリクリした黒目がとても可愛らしい。
そして俺達は無事に山脈超えを終え、次の土地ボーエンハイム伯爵領に入った。王都までは、後3つの領地を通過しなければならないが、山脈を超えてから以降は、穏健派の貴族領が続くらしい、まぁ出来るだけ平和的な商隊の移動が出来るに越した事はないな。
今日はボーエンハイム伯爵領の最初の宿場町ボレルの街に、宿を取る事になった。
俺は、到着するとすぐに宿に一度チェックインして、アランを伴い、ゼスタール領に転移で移動した。
ハッサンさんのもとに顔を出し、今日の進行状況の報告をして、その後はカイルとハンクからこの街の状況報告を受けた。
ハンクが俺の肩に乗ったツバサに興味を示し、
「この小さいのはワイバーンに見えますがサイズ的に赤ん坊だとしてもオカシイですね。どうされたのですか?」と聞いてきた。
「ああ、飛竜に襲われてたから助けてついでにテイムした」と言った。
「飛竜に襲われてたって、まさか倒されたのですか?」
「ああ、俺達も襲われそうだったからな、そんなに強くはなかったぞ?」
「はぁ・・・飛竜は、SランクPT10チーム以上での討伐隊が組まれてやっと討伐を行えるクラスですよ?もしかして死体もまるごと、アイテムボックスに収納されてたりしますか?」
「そうだな、持って来てるぞ食うか?」
「ご主人様、飛竜を一体丸ごと仕留めて、部位ごとに販売されれば安く見積もっても、800万Gには成ります。そのお肉だけでもK当り5000Gはする超高級肉ですので、とてもそう気軽に食べれるような物じゃございませんよ?」
「そんなに高いんなら、うめぇえんだろ?早速焼いてくおうぜ。俺のアイテムボックスは優秀だから、勝手に中で素材ごとにバラしてくれるからな」
ハッサンさんとゼスタール準男爵も誘って、準男爵の屋敷の庭でバーベキュー大会を催した。
友好的な領地からの使者は、今回の件が一通り片付いて方向性が決まるまでは、滞在しているので、彼らも招き、ハッサンさんの主催という事で、飛竜料理振る舞い、街中からワインを買い付けて夜中まで騒いだ。
結局、このバーベキュー大会もゼスタール準男爵の威光を高めるための、良い宣伝となった。
ハッサンさんの言葉によれば、明日の朝には法務官が到着し、まずゼゼコ子爵の処遇を決め、その後にゼゼコ子爵領を正式に併合できれば、次のステップに向けて大きな一歩が踏み出せるそうだが、何も問題が起こらなければいいけどね?
その後は、俺とカイルだけで一度家に戻り、カオルとジョアンナに様子を確認し、もう一軒の大きな方の屋敷で、ユーリに念話の知識があるかの確認をした。
「念話は私は使う事が出来ませんが、エルフの里にいるエルフ達は使用しておりました。念話の魔道具も非常に高価ですが、エルフの里では制作されておりました」
「そうか、ありがとうエルフの里へは俺が行くことは出来るのか?」
「エルフの里へ入る為には、純血のエルフの同行が必要です、混血の私では自身が入る事は許されますが、ご紹介する資格が御座いません」
「そうなんだな、面倒臭い決まり事もあるんだな、まぁ今王都に向かってるし、エルフと知り合えることもあるかも知れないし、そう焦る必要もないか」
「お役に立てずに申し訳ございません」
「あー気にするなって、出来ればラッキーくらいで聞いただけだから、取り敢えずさ俺は念話覚えたから、俺から連絡を入れることだけは出来るみたいだから、なんかある時は念話で連絡するから、驚かないでくれよ?」
「ご主人様流石でございますね、恐らく魔導具以外で人族の念話使用者は他にいらっしゃらないと思います」
そうして俺は確認したいことを、確認した後でカイルとともに、ゼスタール領へと戻った後で、アランとカイルに入れ替わってもらい、ボレルの街の宿へと帰還した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます