第13話 王都に向かって見よー
ユーリ達の居る屋敷から、自分の屋敷に戻ると、イザベラが尋ねて来ていた。
「何処の女といちゃついていたのかな?暴発しそうな時は、私を使いなさいよ?」
「相変わらず意味が解んないなお前は」
「一応、ここの領主代理でギルドマスターなんですから敬意を払って欲しいわ」
「そう扱ってほしかったら、それなりの言動をしろよな」
「そう言えばクランの申請の件聞いたわ、Sランククランで登録させてもらうわね、それなら殆どの依頼を引き受けてもらえるから、こっちとしても助かるわ。後はBランク試験も明日から出発ね。王都までは片道2週間程度の道程に成るけど、コウキは転移が使えるから急用がある時は戻ってこれるから、別に心配はいらないわね」
「イザベラには、俺が居ない間の救出した女性達のことを頼んでおきたいがいいか?」
「性技を仕込んだら良いのかな?」
「そこから思考を切り離せ、村の復興とか色々あるだろ?」
「それは周辺の安全を確認しないと無理ね、集落へ居ただけで全部ではない筈だし、残りのオーク達が別の集落を造る可能性も残ってるから、まぁコウキ達が戻ってくるまでには、調査を終了させて、どうして行くのかを決めておくわね。ファルム辺境領として最善の選択をしたいですしね」
「今日の午後は、空いているんでしょ?少し領内を一緒に見て回らない」
「まぁそれくらいなら良いぞ、カオルが昼ごはん用意してくれてるから、一緒にここで食べていけよ、その後で出かけよう」
「もう私を正妻として受け入れる気持ちになってくれてるようね、遠慮せずに頂くわ」
「やっぱり1人でギルドへ戻っておけ、後で行く」
「冗談だって、ここで一緒に食べさせて下さい」
「最初からそう言うふうに謙虚にしていたら、いいのにな」
「いいのにって抱いてもいいのにって事?イヤラシイわね」
「あぁ面倒臭いな、やっぱりお前は」
お昼は、カオルがうどんを作っていた。麺を打つのに、アランとカイルがヘトヘトになっていた。
「カオルこの出汁に使ってるのは昆布と鰹節か?」
「その通りです倭国では、普通に出回ってますよ」
「やっぱり倭国は、日本文化を理解している人が一定数居そうだな。一度機会が有ったら行ってみたいな。距離はどれくらいあるんだろ」
「恐らくここから王都へ向かうまでの距離の倍くらいはあると思います」
「結構遠いんだな、移動手段を作りたいな、この世界では空を飛べるような物はないのか?」
「竜騎士と呼ばれる職業の人達がワイバーンや飛竜を飼いならして飛んでいますね」
「そうか、じゃあ次の俺の目標はテイミングかな、飛空船とかはまだこの世界に存在しないのか?」
「それは、私が答えるわ」とイザベラが言った。
「コウキが何故飛空船をいきなり言葉にしたか気になりますが、現在王都の魔導研究の最先端がまさしく飛空船の開発です。浮かぶだけなら既に完成していますが、空中制御がまだ出来ない段階のようですね」
「そうなんだ、きっと俺なら完成できそうな気もするな」まぁ焦る必要もないか。
「コウキがもし完成させることが出来れば、本当に世界を支配できるかも知れないわね」
「俺は世界の支配なんかには興味はないから、とりあえずは作ってみたいだけだ。飛空船にはロマンがあるからな」
「支配は私がやってあげるから、コウキは私の身体を乗りこなす事だけ考えればいいわ」
「そう言う発言はあえて反応しないほうが、イザベラには効果的かも知れないな」
「羞恥プレーですか?高度なテクニックをいきなり使わないで下さい」
「いや単純に無視だ」
◇◆◇◆
昼ごはんを終え、アラン、カイル、ハンクの3人を伴って領内をイザベラと共に廻っている。ハンクは明日からの王都行きにも、陰ながら同行すると言っていた。
森に近づくに連れ魔物も増える、馬車で移動していたので、俺が基本的に投石で倒していたが、数が増えてきたので、一応用心を兼ねて、イザベラ以外は、外に出て歩いて回ることにした。帰りは転移で帰ればいいので行けるとこまで、行ってみようと言うことになった。
村落の跡地に、住み着いてるゴブリンの集団なども居たが。俺達の敵ではなかったので、討伐して死体はアイテムボックスに放り込んでいった。4つほどの村落を廻ったが、生き残った人は居無さそうだ。しかし建物や農地は、大きな補修は必要無さそうなので戻ってきてから、本格的に復興を手掛けてみようと思う。
イザベラも、「今廻った村落の生き残りは恐らく、コウキの保護している女性達だけの筈ですから、コウキが復興すれば、爵位を与えて村落を領地として与えるわよ」と言い出した。別に爵位は欲しくないが、村落の復興にその方が便利が良いならそれでも良いかと思った。
転移で自宅に戻り、一度ギルドへイザベラを送り、クランの登録も完了させた。メンバーは最初に購入した奴隷8名と、オーク集落から救出した女性全員を登録しておいた。総勢39人のクランは、ファルムの街でも中規模のクランに成るらしい。
そして翌朝出発は9時の予定だが、余裕を持って8時には指定されたギルド前へアランとカイルを伴い待っていた。30分前には他の冒険者達も集まり、今回の監督官を務めるAランク冒険者のドイルが話しかけてきた。身体の大きな、棍棒を持つ戦士だった。
今回の護衛メンバーは、まず俺のパーティー
パーティー名は『ライトニング』
コウキ Cランク
カイル Sランク
アラン Cランク
『夜明けの明星』
ボブ Cランク
アンナ Cランク
ビリー Cランク
スーザンCランク
『ユーキと愉快な仲間たち』
ユーキ Cランク
キッド Cランク
ダッジ Cランク
3組とも試験のようだ、全体のリーダーは監督官よりもランクが高いカイルが押し付けられた。
まぁよっぽどの事が無い限りは、何も問題ないだろう。
「お前が噂のコウキかい、オークラを簡単にぶっ飛ばしたらしいな、あいつはまともにやり合ったら、強さは俺と変わらないくらいだから、今回の試験は安心できるな、カイルさんは初めて合うが2つ名持ちの狼獣人で凄く強いと噂を聞いたことがあるし、コウキのPTに参加しているのが何故かは聞かないが、あくまでも試験対象は現在Cランクのメンバーだ。あまりカイルさんに頼るような状況だとその分査定から差し引くことに成るぞ」
護衛対象の商隊は馬車6台で、30名程の大所帯だった、各馬車に1人ずつ乗り組み残りの4人は馬で並走する事になった。初日は3つ先の宿場町に午後3時ころに到着し、そこで商隊は取引を行うらしい。
予定通り9時には出発をした、さてどうなることやら無事に到着したら良いがな。
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