概要
水源荘、そこには人を喰らう"何か"が潜んでいる。
新社会人の川野直人は新生活を始めるために、とあるアパート「水源荘」へ引っ越してきた。
狭い部屋の中、ペットのイモリと寂れた日常を過ごしていると、次々と不可解なことが起こる。
やがて怪異は水を媒介にして、じわり、じとりと日常を蝕んでいき・・・。
狭い部屋の中、ペットのイモリと寂れた日常を過ごしていると、次々と不可解なことが起こる。
やがて怪異は水を媒介にして、じわり、じとりと日常を蝕んでいき・・・。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人間ドラマ、情景描写、謎解きで読ませる上質なホラー
まずは、とにかく面白くて続きが気になり一気に読み進めました。
物語は新卒の主人公、川野が引っ越してきた築年数の古いアパート「水源荘」を舞台として始まる。ペットのイモリ、ビリーの水槽からメダカが消えるという小さな怪異がやがて身の毛もよだつ恐怖へと繋がっていく・・・
物語の筋書きが見事で、日常に潜む恐怖が肥大化する様に目が離せなくなる。人生を俯きながら生きているように思われる主人公が行動を起こし、怪異の謎に迫り、戦う様は思わず共感できた。
川野、奇妙な隣人の沼崎、バンドに夢をかけるイズミはそれぞれに苦悩を抱えている。彼らの人生模様が平行して進んで行くのも面白い。
映像が目に浮かぶようなリ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怪異に蝕まれていくのは
ホラーの一番の魅力というのは、怪異の正体にかかっていると思う。この話を読んで改めてそう感じた。
少しずつ侵されていく日常。水源荘に引っ越してきたばかりの青年、川野は違和感を覚えるも、新しい生活のストレスや悩みにより徐々に気に掛けなくなってしまった。彼の中に渦巻く孤独、郷愁、後悔。そんな中起こったある事件により、物語は急加速していく。最後には水源荘に潜むモノの「正体」を知ることになるのだが、その過程が面白い。
詳しくは語れないが、怪異が起こった背景から周囲の反応に至るまで、全てが迫真的なのだ。怪異が現れている以上、現実から逸脱していることは間違いない。それなのに妙に現実じみたものとして納…続きを読む